2-2

「イーリス、お久しぶりですね」


「フィアット、久しぶりね」


風の国ヴェールブルームの女王フィアット・シラーノはシェラプト王宮の王室に招かれていた。


同い年の二人だが、フィアットはイーリスに敬語を使う。


仲が悪いというわけではなく、言葉遣いは心を表すという思考から誰にでも敬語を使うらしい。


その落ち着いた雰囲気から出る丁寧な言葉遣い。

そして背中まで伸びた金色の長い髪と宝石のような青い瞳から見える笑顔は多くの人を魅了する。


ヴェールブルーム王国はシェラプトから東にまっすぐいったところにあり、たくさんの草花に囲まれた美しい国で、観光地としても有名。


国全体が草木や花々に囲まれており、季節によって色を変え、見るものの心を魅了する。


二人は昔から親交が深く、こうして定期的に顔を合わせるそうだ。


「話って何かしら?」


「クリスティン暗殺疑惑のことよ」


ランカウド王国はヴェールブルーム王国とあきないの関係にあり、第一王子であるクリスティン・ランカウドはその静観せいかんな顔立ちからファンも多い。


リリィの恋人でもあるため、理由は異なるものの、彼の生存はお互い気にかけている。


「あの噂どう思います?」


「クリスティンは誠実でまっすぐな男。強く逞しく国民にも愛されているそんな男が暗殺されたというのはどうも信じがたい」


「わたくしもそう思います」


「裏で後を引いているものがいる可能性があるわね」


「それを確かめに行く必要があると思うのです」


フィアットはその柔らかい物腰から人望が厚く、それにより多くの人から愛されヴェールブルームが活気づいた一つの理由でもあると云われている。


「リリィさんのことも心配です」


冷静沈着なリリィも一人の女性だ。


心から想いを寄せている相手が突如いなくなって傷ついていないわけがない。


立場上強く振る舞っていないといけないが、きっと心の奥底には深い傷が刻まれているに違いない。


「それだけではないのでしょう?」


イーリスの問いにフィアットが軽く微笑む。


「相変わらず耳に入るのが早いですね」


「イクシールを盗むなんて処刑してくださいって言っているようなものでしょう」


国宝石イクシール。


ヴェールブルームにのみ存在する虹色に輝く美しい石で、この世に一つしかない。


この石を切削せっさくし、溶かして使うことで不治の病が治ったり、不老不死になれる薬が作れると噂されているが、国宝に触れること自体禁忌きんきのため効果は定かではない。


「恥ずかしながら、クリスティンさんの暗殺の噂な流れ国民たちが混乱している間にスパイに盗まれてしまいました」


保管場所は知っているものは王家の人間のみで、長い長い迷路の先にあり、仮に見つけられたとしても専用の虹色の鍵がないと開けることは不可能。


「どうしてスパイの仕業しわざだと言い切れるの?」


「犯人を知っているからです」


その名はジゼル・ベンジャミン。


世界中を飛び回る伝令人(郵便配達員)で高いコミュニケーション力から各国の王族とも親しい。


そんな彼女は数週間前からフィアットの前に執拗しつように現れてはイクシールの情報を根掘り葉掘り訊いてきたという。


「彼女にはシャルルさんという弟がいますが、現在の医療では治せない未知の病におかされています。生まれてすぐに両親を亡くした彼女にとって、唯一の家族である弟は宝物です」


伝令人は届けた手紙の枚数だけ報酬が増えるようだが、王族から手紙は内容問わずすぐに届けないといけない分、報酬が高くなる。


それを知っていたフィアットはジゼルの弟のためにたくさん手紙を届けさせて治療費を稼がせてあげようとしていた矢先、クリスティン暗殺の噂が流れたと同時にイクシールが盗まれ、ジゼルは姿を消した。


「イクシールの価値はみなも知っているが、まさか伝令人にそんなことができるなんて誰も思わないだろうからね」


「えぇ。それに保管場所を知っているものはごく一部のもののみですし、仮に辿り着けたとしても簡単に壊すことのできない頑丈な扉で作られています。何より五十メートル以上ある巨大迷路を簡単に踏破とうはできるとは思えません」


そこは要塞ようさいのように入り組んでいて、天井も低く空を飛んでいくことは不可能。


「鍵はわたくしと夫以外持っていないので、盗むことは不可能だと思っていました」


現在のヴェールブルーム王国の王族はフィアット・シラーノと夫で国王のアウグスト。そして幼い双子だけ。


フィアットより一回り上のアウグストは数年前に失踪しっそうしたままいまも見つかっておらず、ヘメリア中に遣いを送って捜索させているがいまだに手がかりすら見つかっていない。


アウグストが戻ってくるまでの間フィアットが国を統治している。


寛大な国民性なのか、彼女の温厚な人間性なのか、多くの人から愛されているフィアットはすぐに国民から受け入れられ、その商談力も相まってこの国は一気に豊かになった。


「そのジゼルというものの独断?」


「その可能性は低いでしょうね」


「どうして?」


「彼女が独断で動くにはリスクが大きすぎますし、あまりにタイミングが良すぎます。これだけ計画的だったとすればおそらく誰かに命じられたのでしょう」


「その誰かとは?」


「まだわかりませんが、あの特殊な鍵穴が綺麗に開けられていましたし、イクシールが盗まれたタイミングでジゼルさんがいなくなったので」


「裏で糸を引いているものがいると?」


「おそらく。現在遣いのものたちに調べさせています」


フィアットはイクシールが保管されている部屋の鍵を肌身離さず持っているため、盗み出すことは不可能。


「シャルルさんは現在ランカウド内のどこかの施設にいるはずです」


医療の最先端を行くランカウドなら未知の病も治せるかもしれないと考えるのは普通だろう。


ジゼルは弟を救うため必ずシャルルのもとに現れる。


「クリスティンさんの安否もありますし、リリィさんのことも心配です。イクシールを取り返すのを手伝っていただきたいのです」


「見返りはいただくからね」


「そう言うと思ってました」


「リリィにはランカウドに向かうよう命じておくわ」


「助かります」


「あの子のことだから本心を押し殺してこの国を守ることを優先するだろうし、誰よりもクリスティンの安否を憂いているはずだから」


「でしょうね。こちらの兵も向かわせます」


・クリスティンの生存確認


・イクシールの奪還


・首謀者の処刑


この三つが今回の作戦。


話し合いを終えたフィアットが出てきた。


広場の周りには他国の女王を一目見ようと多くの人が集まっていた。


僕もシルフィも少し離れた場所から見ている。


「フィアット様、本当にお綺麗」


目の前を横切っていくフィアットを見つめながら目をキラキラされているシルフィ。


その近くで視線を感じた気がした。


「シルフィ?」


声のする方を見ると、毛先をピンク色に染めたボブヘアーが特徴的な柔らかい雰囲気の子がシルフィ本人であるかを確かめるようにゆっくりとこちらに向かってくる。


細い身体を強調するかのように出るところは出ているスタイル抜群のその子に気づいたシルフィは、大きな瞳をさらに見開き大きな声を出した。


「レティ⁉︎久しぶりー‼︎」


レティと呼ばれるその子に抱きつくと、


「やっぱシルフィだ!元気だった?」


「うん、元気だったよ。レティはどうしてここに?」


「イクシールを取り返すためよ」


「イクシールって世界にたった一つしかない国宝よね?盗まれちゃったの?」


「うん。スパイが忍び込んでて、ランカウドに逃げたらしいの。戦いになる可能性があるからそのときの救護班として志願したってわけ」


近くにいた僕に気づいた彼女がシルフィに質問する。


「この人は?」


稀有けうなものを見るように少し警戒している様子。


「この人は清阪 奏達くん。私たちと同い年の地上人よ」


レティシア・ファティ。

シルフィとはあることをきっかけに仲良くなり、それ以降シルフィは彼女のことを“レティ”と呼んでいる。


はじめましてとにっこり笑って挨拶をしてきたが、僕は籠った声で「ども」という二文字しか言えなかった。


相変わらず印象は悪かっただろう。

ただでさえ目つきが悪いのに人見知りで無愛想。


それに比べて彼女ははじめて見る地上人に興味津々のようで、新種の動物を見るような目で覗き込む。


その勢いに少し圧倒されてしまった。


彼女はそんなことなど気にも留めず距離を縮めてきた。


「きみが噂の地上人?思ったより可愛い顔してるね」


可愛い顔だなんてはじめて言われた。


黒髪に細い目、外国人には通じない『肌色』。


韓国人アイドルのような中世的な顔もしていなければ、欧米人のように彫が深いわけでもない。


典型的な東洋人の素朴顔。


上目遣いされた僕は思わず胸元に目がいってしまった。


洟の下が伸びていることに気づき、それを戻そうとしたが遅かった。


横を見ると、シルフィが僕をじーっと睨んでいる。


「きみ、女の子に慣れてないでしょ?」


何かを企むような不敵な笑みを浮かべる彼女に、


「ちょっと、レティ。カナタくんをからかわないで」


少しむすっとしながら僕とレティシアの間に割り込む。


「ごめんごめん。地上人ってもっと悪そうな顔してるかと思ってたけど、私たちとそう変わらないのね」


彼女はディアボロスの存在を信じていないようで僕を見てもあまり驚く様子を見せなかった。


きっとこういう枠に嵌まらないところがシルフィと仲が良い理由の一つなのかもしれない。


「もう、相変わらずなんだから」


頬を少しぷくっとさせながら唇を尖らせている彼女はものすごく可愛かった。


「シルフィってほんっとわかりやすいね」


「な、なにが?」


「わかってるくせにー」


肘で彼女の腕をつんつんとつっつくレティシアの姿を見てどこか羨ましく思えた。


「こっちでも噂になってるよ。ハロルドを倒したディアボロスにそっくりの子がいるってね」


いつの間にか有名人になっている?


とはいえ悪魔の子に似ていると言われても素直に喜ぶことはできないのだけれど。


レティシアは昔、羽を痛めて空を飛べないほどの怪我をしたことがあった。


そのときに助けたのがシルフィで、波長の合う二人は一気に仲良くなった。


羽が治るまでの間、こっそり抜け出していろいろなところに遊びに行っていた。


その後、両親にはこっぴどく叱られたらしいが、シルフィのことが好きなレティシアはいまも定期的に会いに来ている。


「そういえば最近、例の彼とはどうなの?」


例の彼という言葉を聞いたレティシアの表情が少しだけ曇った。


アイメリク・ガルシア・メンデス。


レティシアとは幼馴染で、科学者になるため数年前からランカウドに留学に行っている彼氏。


サラサラの金髪に高い洟、少し細い目と首元にある黒子ほくろが特徴的。


「最近忙しいみたいでさ、全然手紙返ってこないんだ……」


この世界でよ連絡の主なツールは手紙らしい。


各国の伝令人によって世界中に手紙が配られている。


送ってから届くまでには多少のタイムラグがあり、いつ返事が来るかわからない。


しかし、そのもどかしさが逆に気持ちをたかぶらせるようだが、いまの彼女にとっては逆効果。


「科学者ってかなり大変みたいでさ、一週間以上お家に帰れないときもざらにあるみたい」


会いたい気持ちを抑え、恋人の夢を応援する殊勝しゅしょうさを僕は経験したことがない。


そもそもそこまで本気の恋愛をしたことがないから無理もないけれど、もしいまのレティシアのような状態になったら果たして耐えられるだろうか?


「ちゃんとご飯食べてるのか心配……」


「会いに行こうとは思わないの?」


「会いたいけどさ、研究の邪魔しちゃ悪いし、いきなり会いに行って下手に気を遣われても申し訳ないし。優しい彼のことだから寝る時間削って一緒にいてくれちゃうだろうし」


「レティって意外と気を遣うんだね」


「もう、茶化さないで」


「帰ってくる予定とかわからないの?」


「いつも手紙に書いて送ってくれるんだけどね。ここ何日も返事なくて」


「行動しない後悔は引きずるよ。会いたいって思うときに会った方が良いと思う」


割って入った僕の言葉に二人は驚いていた。


僕はお婆ちゃんが大好きだった。


いつも笑顔でいつも優しくて、すべてを受け入れてくれた。


いま思うとものすごく甘やかされていたと思うけれど、人付き合いの苦手な僕にとってお婆ちゃんは心の拠り所と言っても過言ではなかった。


小さいころお婆ちゃんの住む名古屋に遊びに行っては色々なところに連れて行ってもらった。

水族館、動植物園にこどもの国。ラグーナテンボスなんか何度も連れて行ってもらったっけ。


中学卒業と同時に元気だったお婆ちゃんが急に倒れた。


親の仕事の関係もあってお婆ちゃんの家に引越した。


引越した翌日、お婆ちゃんは突如旅立った。


僕の心には大きな穴が空き、それはいまでも埋まっていない。


このとき強く胸に刻んだことがある。


会いたいときに会えるって実はすごく幸せなことなんだって。


だから会えるときは会うべきだ。


「カナタくんってたまにロマンチックなこと言うよね」


そんなことを言われたのはじめてだ。


褒めてくれたのかどうかはわからないけれど、素直に喜ぶのが正解だと思う。


「遠距離きつくない?」


経験のない僕が言うのも何だが、遠距離はきっときついだろう。


好きな人とは少しでも一緒の時間を過ごしたいと思うのは普通の感情。


昔飼っていた猫も一緒にいられない時間は苦痛だった。ましてやこの世界では手紙というツールしかないので、強く信じられる人でないときっとメンタルがぼろぼろになるだろうと勝手に心配する。



ランカウド王国はアンピエルスを越え、ヴェールブルームを越えた先にあり、往復するだけで相当な労力を使う。


何より極寒地帯のため、防寒対策をしていかないと羽が凍って空を飛べなくなるらしい。


そのため一度ヴェールブルームの首都モイルークで整える人が多い。


シェラプトから東、中立国アンピエルスを越え、さらに東に向かった場所にそれはある。


僕とシルフィは目立たないようフード付きの服を着てきていた。


ヘメリア第二の敷地を持つこの国の横風はたまに気まぐれで、帽子やフードを脱がせるほどに強く吹くことがある。


首都モイルークはオシャレと美容の街として有名で、ヘメリア中から多くの若者が集まる街。個性的なファッションや髪型の人が集まってくる。


「最近新しくできたお店があってね、そこの服がめっちゃかわいいの。しかも暖房機能がついてて、羽根からあっためてくれるの」


「それってどの辺にあるの?」


「この近くのはずなんだけど、あれ?どこだっけ?」


「レティは本当に道覚えるの苦手だよね」


「シルフィもじゃん」


くすくす笑いながら会話を楽しんでいる二人の後ろを見守るように歩く。


「ランカウドは年中寒いからあったかいの買っておかないとね」


「どうせならお揃いの買う?」


そんな会話をしながら歩いていると目的地についた。


「カナタくん、何してるの?早く」


先を歩いていたシルフィが振り向いて手招きするが逡巡した。


白とピンクをベースをした外観。キラキラした店内。

どう見てもレディース専門店ですよね?


中を覗くと目のやり場に困るものが飾られている。


たくさんのドレスやアクセサリーが並ぶなか、女性ものの下着なんて母親のしか見たことがない僕にはあまりに刺激的だった。


きっと、

(何かお探しですか?)


(彼女さんへのプレゼントですか?)


とか色々訊かれてまともな返事もできないままあたふたするのは目に見えている。


だから入ることは憚った。


二人が店内でニコニコしながら服を選んでいるのを横目に外で街の景色を眺める。


ベンチに座りながら楽器を奏でる詩人風の人の小気味良いメロディーが心地よい風とともに満腔まんこうに響き渡る。


腕を組みながら歩くカップルや手をつないで歩く親子はみな笑顔で、それを見ていると近隣国が戦争中であることを忘れさせるほどに心が凪ぐ。


本当に綺麗な街だ。


感傷に浸っていると、少し離れた場所から熱い視線を感じた。


だが、それは好意的なものではなかった。


何かを確かめるようにおそるおそる近づいてくる一人の男。


しかしフードを目深に被っていて顔が見えない。


寸刻すんこく立ち止まると、何も言わずに羽を広げて飛び去っていった。


いまのは一体何だったのだろう。


しばらくすると、ファー付きのコートを着たレティシアの横に真っ白なコートを身に纏ったシルフィが出てきた。


二人とも同い年とは思えないほど大人っぽく婀娜あだっぽくて、無意識にレティシアのふくよかな胸元に目がいってしまった。


先ほどの出来事が気になっていた状態だったので、怪訝な表情と邪な気持ちのなんとも形容しがたい表情を浮かべていた。


「カナタくん、どうしたの?」


「あっ、いや、なんでもない」


顔を紅潮させながら二つの意味で誤魔化したが、歯切れの悪い言い方に自分でも下手くそな誤魔化し方だなと感じた。


「ねぇ、この服、どうかな?」


シルフィに見惚れた僕はあまりに綺麗な彼女を目の前に素直に褒めることができなかった。


何も応えられず一度逸らした瞳を戻すと、彼女は何度か瞬きをしながら寂しさを覗かせていた。


すると、横にいたレティシアが目の前にやってきて、シルフィには聞こえないような小さな声で囁く。


「カナタって童貞でしょ?」


な、なぜバレた?


恥ずかしさよりも怖さが勝った気がしたがなぜそんなことを言ったのかわからなかった。


「女心わからないとシルフィどっか行っちゃうよ」


そう言って二人はすたすたと先を歩いていってしまった。


これが、女心と秋の空ってやつか?


『これとこれどっちが似合うと思う?』

って聞いておきながら実は決まっているパターンのやつか。


『どっちも似合うと思う』と答えると不機嫌になる恐怖の質問のやつか?


それとも、『仕事と私どっちが大事なの?』に対して『どっちも大事だよ』と答えたら不機嫌になるあれか。


煮え切らない気持ちを抱えつつ後を追う。


待ってくれ。


僕だけ防寒対策してなくない?


このままだと寒くて凍え死ぬんですが。


ー翌朝、モイルーク城内に招待されていた。


そこにはリリィ率いる数人のシェラプト兵団とヴェールブルーム兵団、そしてグリューンと数人のスティネイザー兵もいた。


玉座に座る女王フィアット・シラーノが口を開く。


「ご多用の中ご足労いただき感謝申し上げます。本日お集まりいただいたのは他でもありません。ランカウド王国クリスティン・ランカウド第一王子の生存確認をしていただきたいのです。もし彼が本当に暗殺されていたのであれば実権を握っているのはおそらくコルベイン・キャビックという男。彼は国営の新薬研究の第一人者で、クリスティンからの信頼も厚いですが、裏では人を洗脳する危ない薬を作らせ、ヘメリア全土の領地化を画策していると訊きます。遣いのものたちの情報によると、コルベインは現在ランカウドの施設で新薬の研究をしているとのことです」


もしその危ない薬が世界中に蔓延すれば多くの国民が洗脳されてしまう。


だからみな風馬牛ふうばぎゅうというわけにはいかないのだ。








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