四つ角の「何か」に祈ってはいけない
縦縞ヨリ
プロローグ
四つ角にある、祠とも墓ともつかない『何か』を見た事があるだろうか。
それは大抵住宅街の一角にあり、猫の額程の土地に、いつ誰が建立したか分からないほど、古くから存在している。
近隣の住人に丁寧に祀られているものもあれば、殆ど忘れ去られた様に、雑草に覆われ、最早それがなんだったのかも分からない程朽ちてしまっているものもある。
その中でも手入れが多少なりされていれば、供え物がある場合も多い。清酒やワンカップ酒、小銭、小さな蜜柑や、つんできた花が空き瓶に生けられていたり、ビニールに包まれた饅頭が備えてある事もある。
さて、当たり前だが、供え物を無闇に触るのは御法度だ。今更語る必要も無いだろうが、何者かに供えてある供物に手を出して、大丈夫だったという怪談の方が珍しい。
今回お話したいのは、もっとシンプルな事である。
忘れないで欲しい。
「他所の土地から来たものが、四つ角に祀られた『何か得体の知れないもの』に、祈ってはいけない」
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