第三話 諸刃の剣
ノーラと出会い3年が経った。
俺の体は瘦せ型ではあるがしっかりとした武人の筋肉を持っていた。
ノーラと出会ってから毎日鍛錬を休んだ日はなかった。
一番最初は木刀を振り回していただけだったが今では剣術だけではなく、斧術や槍術、弓術までオールマイティに力をつけれるようにしている。
因みに父上、皇帝の耳にも届いているらしいが、何も言って来ない。
好きにしろ、ということなのだろうか?
そんなある日父上に呼び出された。
メイドからの話では『ギフトの儀』が近いからそれに関係することという可能性が高いらしい。
ギフトっていうくらいだから何か貰えるものなんだろうけど、一体何なのだろうか?…
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「陛下、ルーク様をお連れしました」
「入れ」
威厳のある声がそう言うと、扉が開いた。
中には執務中の父上と補佐官が3名、近衛兵が4名いた。
「よく来たな、ルーク。取り合えず座りなさい」
そういわれ俺は皇帝が書類作業をしている机の正面に座る。
「して、陛下…今日は何用で?」
「うむ、おそらく何聞いてはいると思うが、『ギフトの儀』の事だ」
「実はわが国では皇族が『ギフトの儀』を受ける前に鑑定を皆に受けてもらっているのだ、それを貴様にも実施するためこうして呼び寄せた、というわけだ」
「かしこまりました、いつ行うのでしょうか?、来週ですか、それとも1か月後でしょうか?」
「いや、今から始める。既に別室にて準備は済めせてある故な」
そういわれるとすぐ隣の『大会議室』と書かれた部屋に入室した。
「お待ちしておりました、ルーク様。本日の鑑定は我々がさせていただきます」
そこには3人の白装束がおり、そのうちの真ん中の人物が声を発した。
顔の布には聖王国の紋章が書かれていた。
(こいつら、聖王国の奴か…てか帝国だけだらまだしも、聖王国にも俺のステータスがバレるのは勘弁してほしいが…何か事情があるっぽいな…)
「では早速始めさせていただきます。鑑定 ステータス 表示」
真ん中の男が手を合わせて言うと俺の目の前に薄い透明の文字が書かれた板のようなものが出てきた。
名前=ルーク・ヴェルム level200
性別=男
種族=人間
HP=100000/99800
MP=2000000/1900000
超適正=闇魔法
スキル=魔力自然回復(弱)、体力自然回復(弱)、再生、水属性魔法、土属性魔法、
火属性魔法、雷属性魔法、風属性魔法、特殊属性魔法(空間、創造)、
剣術level6、斧術level4,槍術level4、高速思考level4
(求心level8※隠蔽状態)
耐性=上位魔法耐性、上位物理耐性、状態異常耐性、痛覚耐性、光属性魔法軽減、
不屈、疲労耐性、病気耐性、即死耐性
称号=天才、プロン帝国第二皇子、武人、上級魔法使い、剣聖の弟子、超越者
(裏社会の人間、麻薬王、異世界転生者、詐欺師…※隠蔽状態)
(大罪の因子※未覚醒)
「「「は!?」」」
ステータスを見た瞬間気が抜けた声が部屋に響いた。
どれだけすごいかは今までわからなかったが、周りの今日の反応を見てこのステータスは人に見せてはいけないものだと知った。
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(その日、ルークの鑑定が終わった後の皇帝執務室にて…)
余りにも規格外であったため、皇帝であるルックスは大臣たちを急いで招集し、緊急会議を開いた。
そして急いでことの顛末を説明し、知恵を求めた。
大臣たちの間にはしばらく沈黙が続いたがしばらくたって大臣の一人がそれを破った。
「正直対応に困るところですなぁ、諸刃の剣というか…今の時点でも正直この国でトップクラスに強いのに殿下はまだ8歳になられたばかりですからなぁ…」
「それに最も問題なのは仕方ないとはいえ聖王国の連中にそれを見られたことです…、奴らは絶対に取り込もうとしてきますぞ!」
「余もそのことが一番気がかりなのだ…ルークのその力がどこに向かって行くのか…」
「魔術学院に入学するまでは表に出さないくらいしかできることは思いつきませんが…」
「それでもやらないよりはよっぽどマシだ…少なくとも式典などには極力姿は見せないものとする…」
「しかし、魔術学院の入学試験は王族皇族や貴族も免除にはならないためそこではルークの力の事が聖王国以外の『5強国』に漏れてしまうだろう…」
「しかし陛下、そればかりは仕方がないことでございます」
「うむ、そうだな…本日は急だったとは言えよく集まってくれた。本日伝えたことは当然だが口外禁止のものとする」
こうして会議は終わりを迎えた。
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