サヨナラの決断

 樹里亜さんから無視され続けて1ヶ月以上経った頃ですかね。さすがに私もキレました。


 どれだけ声をかけても無視。理由も言わない。目が合えば睨む。そんな日々が続き、一ノ瀬さんもいなくなったので樹里亜さんとは関わらない事にしました。


 すれ違いざまに目を合わせず、SNSで言うミュートモードというか、相手に石ころ帽子を被ってもらったような状態に自分の意識を切り替えました。


 つまり、「見えているけど見えていない」状況を脳内で作る事で、精神的な影響を被らないようにしたのです。


 今度は私が彼女を無視する番でした。


 まるで見えていないかのように振舞われるのに面食らったのか、樹里亜さんが動揺しはじめました。ですが、もう遅いです。私は完全に愛想が尽きていました。


 私は視界から彼女を完全に消し去りました。さようなら。

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