第4話
三人がこっちを見てくれるのなら、他は何も要らなかった。幸せだった。
お前らは俺が人殺しだって知ったら、これからどうなるんだろうな。
何も言わないだろうな。
お前らは俺と違って優しい奴だから。
会えなくなるのは嫌だ。だからもう人殺しなんてしない。
そう思っていた――。
ある日他の幼馴染みから連絡が来た。
「あいつ殺したの知ってんや」
「は...?」
一瞬何を相手が言っているか分からなかった。
「バラされたくなかったら言う事聞いてや」
そこからの日々は地獄そのものだった。
そのことが気になって夜も眠れない日々が長く続いた。
黒いクマもでき、やつれてしまった。
「弧月、何でそんなつかれてん?」
少し動揺した。そして三人が俺に向けたのは、心から心配しているような眼差しだった。
「えっと、あ...」
「何かあったの?こづちゃん話せる?」
胸と喉の奥が一気に詰まった。
決まってんだろ、そんな事。
俺は人殺しだから、犯罪者だから――
そんなこと言えるのか?
三人は悲しい目でこっちを見てくる
やめろ...そんな目で俺を見るんじゃねぇよ!
何もかもが眩しい。
その笑顔も、心配する声も全部...全部!
お前らは俺にとっちゃ眩し過ぎんだよ!
.....キモチワルイ
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