いつか夢見た地に立って
ショーン
没話だよー
没話(快晴と魁星の間に入るはずだったやつ)
本編に入れたかったけど、展開的に要らなかったなってなった話を置いていきます。
これは「快晴」と「魁星」の間に入るはずだったおはなし。
──キーンコーンカーンコーン。
その鐘の音は遅刻した間抜けを嘲笑うかのように、1時を告げた。
「ハァ…ハァ…最っ悪!せっかく走ったのに…ハァ…間に合わんかったぁ!」
家から学校まで全力猛ダッシュをかました
──
「居眠りしたら今日の課題の点数0にするからな〜、寝るなよ〜」
「「「「「はーい」」」」」
5限目、しかも1番眠くなる授業である言文のせいか、みんな眠そうな返事を返す──
(5限目つる軍なのは聞いてないよぉ…)
──僕はそんな教室を後ろのドアの窓からこっそりと眺めつつ、入るタイミングを伺う。
成績に関しては奏高校で1番厳しく付ける……と言われるこの先生の授業では、絶対にふざけないし、ふざけるやつは何も失うものがないヒロインだけ。そんな暗黙の了解のようなものが、奏高生の間では代々受け継がれてきた。
(正直出ていきたくない…!けど欠課を取られたくもない…!)
一旦頭を引っ込め、某猫ミームさながらに頭を抱えて悩む。今日は厄日かなんかなのか?厄日じゃなくてもめざましテ○ビの占いが最下位だったに違いない。
──そんなことをうだうだ考えていても仕方ない。もしかしたら何かあるかもしれない。そんな
「…もしかしてきょーちゃん気づいてる?」
教室を見渡すと1番後ろ、僕の席の横に座る
試しに手を振ってみる。
中指を突き立てられた。
……どうやら
「そう簡単に言われてもなぁ…」
【絶対やだ】という意を伝えるため、全力で表情を変えた。
──それがつぼに入ったのか、親友は肩を震わせて笑い始める。
「ん…?なあ、響。何がそんなにおかしいんだ?」
つる軍の意識が、
──今しかない。ありがとう我が親友よ、身を呈してまで僕を助けてくれたこと、感謝するよ。
義足を外し、ゆっくりとドアを開ける……
……ガタン
「……響、そして一叶。この2人は放課後職員室に来い。課題プリントを贈呈してやろう。」
全部お見通しだったらしい。つる軍は、いつものニコニコ顔のままそう告げた。
さっきまであんなに暑かった体は、真冬のような寒気を感じていた。
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