可愛がっていたベランダの小鳥ちゃんが麗しい天使様だった件について。
帆立ししゃも
プロローグ
動物愛護主義者ではない。
別に博愛主義者ってわけじゃない。
でも、僕の暮らすアパートのベランダに毎日やってくるその鳥は、綺麗だったから。
朝の光を浴びて輝く純白の羽根。
潤みがちな黒いつぶらな瞳。
桃色の嘴は小さくて頼り無く、獲物をきちんと捕れるのかすら危うそうだな、なんて思った。
そう、だから毎朝やってくるそいつに僕はパンくずと水をやっていた。
うまいか、なんて声をかけると応えるように羽根を震わせるのが嬉しくて。
晴れの日も雨の日も、そいつとの逢瀬(……と呼べるのか)を繰り返していただけだった、ただの平凡な高校生の僕は、今。
「わ、わたしのこと、好きなんですよね!?その胸にあるのは愛ですか?愛ですよね!せ、責任取ってわたしのつがいになってくださいっ」
白いワンピース姿の美少女に、詰め寄られていた。
いつもの時間。いつもの朝。小鳥のかわりにそこにいたのは、そう、世にも稀なる美しさを纏ったヒト、いや、天使様だったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます