第19話 エステア軍艦隊撃破ミッション-紫電襲来

『ノアの方舟』の司令室で戦況を監視していたユカは戦闘区域外から飛来してくる飛行物体をレーダー上に確認した。



「あら、何かしらこれ」



《どうかしたの?ユカさん》



ヴァリュートが尋ねる。



「戦闘区域外から何かが飛んできてるのよ。速度を見るにアーマードスーツね」



《えー!一応警戒しといた方が?》



「頼める?」



《ボクに任せなって》



ヴァリュートの自信に満ちた声が聞こえる。



⭐️⭐️⭐️



「ってわけで、なんかよくわからない奴が近づいてきてるから注意してね」



ヴァリュートの忠告に俺は顔をしかめた。



「え、エリアルフェンリルじゃないだろうな、、、、」



流石に忘れていると信じたい。



「ハナサギ、そのよくわからん奴がお前の元に向かってるぞ!」



グレイスから忠告がとぶ。



「は?」



確かにレーダー上にこちらに向かってくる物体が表示されている。



「マジかよ!」



すぐに迎撃態勢を整える。



⭐️⭐️⭐️



エリアルイウデクスがエナジーソードを二本装備する。



そしてそれを連結し、一本にまとめた。



パイロットが通信を受ける。



《あの白いのが例の奴。隣にいるのは無視して構わないよ》



「エリアルイウデクス、了解」



エリアルヘロンが肉眼でもわかるぐらいの距離まで接近する。



エリアルヘロンからライフルが発射される。



「、、、、ホーミングは検知せず、か」



エリアルイウデクスのパイロットが呟く。



操縦桿を動かし、機体を急激に降下させる。



⭐️⭐️⭐️



「うお、急に下に!」



俺は驚きつつも後を追う。



エリアルイウデクスが振りまきざまにライフルを乱射する。



「わっ!」



少し被弾しつつも何とか追従する。



「オート回避も無し、、、、イベントの時のあれは何だったんだ?」



エリアルイウデクスのパイロットが訝しむ。



「至って普通の初心者って感じだな」



《背中のクロスウィングは?》



「ウィング?普通のやつだ」



「赫くなってないのか、、、、ホントにSシンギュラリティなのかしら、、、、」



「そもそも何でウィングが輝くんだ?これはカガリの時もそうだったが」



《わかんない、なんか条件があるのかもね。彼のウィングが赫くなった時はエリアルバレルディとマルチユニットヴァレンシアに追い詰められてた時だった》



「つまり、俺が奴をあの時みたく追い詰めればいいんだな?」



《そゆこと。頼んだよ》



エリアルイウデクスが反転してエリアルヘロンに斬りかかる。



「速い!」



ブレードがぶつかる。



「、、、、」



エリアルイウデクスが二十数基のレーザービットンを繰り出す。



「ちっ、またビットンかよ!」



ビットンからレーザー攻撃が絶え間なく浴びせられる。



エリアルヘロンがビットンから距離を取ろうと駆け回る。



「仕留められなかった、、、、」



エリアルイウデクスのパイロットの声にほんの少し驚愕が滲む。



《どう?白いの倒せた?》



「オールレンジを躱された。反応速度もかなり上がった」



《本性表したのかな?》



「知らん、、、、」



エリアルイウデクスのパイロットはそこまで言った時に、目の端に赫い光を確認した。



「それはこれから確かめる」


 


《健闘を祈るよ》



エリアルイウデクスが翼が赫く輝くエリアルヘロンと再度対峙する。



「それがカガリが認めた赫き翼、か、、、、」



ビットンがエリアルイウデクスの周りに戻っていく。



「また、、、、翼が赫く、、、、!」



俺はエナジーブレードを構えてエリアルイウデクスに飛びかかる。



エリアルイウデクスもやられまいと迎撃する。



『機体性能が大幅に上昇している、、、、?機体性能を上昇させるチートはあるにはあるが、、、、』



打ち合っては離れを繰り返す。



『そっくりだ。カガリに』



エリアルイウデクスのパイロットの口角が吊り上がる。



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