11/24

「行方不明者が一万人を超えるというのは、やはりカビラが発生していることの証左です。明確な対処法が存在しないためアドバイスも難しく、現状、今までに功を奏した可能性のある治療法を試してみるしかありません」




星殺しの罪は重い。恒星であれば猶更だ。




「先生はきっと知らないだろうけど、お月様というのは青くて冷たくて内側から光輝いているんです」

 少年は仕方ないなァ、という風に言った。




「輪郭が曖昧なのはあまり良いことではありません。ザラヒィーに行って薬を貰って来た方がよろしいと思います」

 彼女にそう言われて、今さら自分の現状がひどく恐ろしく思えてきた。一月ほど前から妙に外殻が柔いなァ、とは感じていたが、いつの間にか症状は随分悪化していたらしい。

「ちょうど明日の三十時にシャ行きの列車が来ますから、それでザラヒィーに行かれるのがよろしいかと。対処が遅れて融けてしまった方もいると聞きます」




ミキの季節、シャシたちは皆カガンの星に帰る。何故かは知らない。




どろどろに溶かすと、ラは綺麗に鳴きます。

星は混ぜた方がいいでしょう。そうした方が成形が楽です。湖底に真珠(直径が1メートル程の大きさで、光沢が青いもの)が4、5個見えてきたら一度掻き混ぜるのを止めます。-119℃に冷えるまで放置しましょう。炎を使って一気に冷却してしまいたくなる気持ちも分かりますが、自然に、ゆっくりと温度を下げていくことが重要です。

-119℃になったら銀河魚ぎんがうお(生きているもの)を3匹入れます。鱗が多色のものが望ましいですが、単色でも問題ありません。しかし必ず成体を使用してください。幼体は体内のマフと呼ばれる器官が十分に発達していないため、この先の工程でザザが生じる可能性があります。




とはガァィのことを指す。ガァィは果人と似た姿形の生命体だが、根本的な成り立ちから違う。




無限を知らねば猿であり、有限を知らねば人でない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る