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本日はお日柄もよく、絶好の割腹日和かと思いますが
近頃どうにも猫街が煩い。烏通りも嘴を交わすような騒がしさがある。
どうも、ナアゴが宝墟に行って帰ってこないらしい。このまま宝墟に棲みつくのか、しばらくしたら戻るのか分からないが、兎に角猫街に主がいないというのは不味い。
そういうことで、当座の仮主を決めるための集会が最近の猫街では頻繁に開かれている。しかしどうにも仮主選びは難航しているらしい。昼も夜もと集まるのはいいものの、ナアゴニャアゴと母を呼び鳴く仔猫のような合唱をして解散、という有様だった。
青草の辺りでは薔薇科の果実が流行っているらしく、あちらこちらで熟れた実が積まれている。
宝墟に辿り着けるということは、かなりの力を持っているという証である。それこそ昇仙できるほどの。それ故ナアゴが雲雀に言伝を頼まなければ、猫街の住人たちはナアゴが今何処にいるのかすら分からないままだっただろう。
随分と長い距離を飛ぶこととなったらしい雲雀は、虎湖の奴らに喰われてしまったらしい。不憫である。
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