幻覚メモ

泉 京助

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7つの月が空に浮かんでいる世界。

それぞれの月は人型になることができる。

死んだ月の葬儀。

純白の薄布で着飾った人々。

ずっと静かな音楽が流れている。


気付いたらそこに立っていた。夢を見ているような感じ。


以下、近くにいた誰かとの会話。


「あの、これって誰のお葬式なんですか?」

「お月様のですよ」


「今あそこに立っているのがお月様です」

「死んだんじゃ?」

「ああ、お隠れになられたのは篠目様です。あちらはハナメ様」


「さなた様は引き継ぎがあるらしくご欠席との連絡が」


空には二つの月


「さなた様と大那智様は空におられます」


「大那智様は新たな御月様が誕生する際にしか降りてこられません。それが掟です」


「他の四方はご出席されています。ヤルハ様は今日も見目麗しく、」

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