②麻美の巻
②麻美の巻
あれから十八時ごろ帰宅し晩御飯を食べ風呂に入り、最近増築され与えられた部屋に戻る、ベッドに仰向けになり天井板の木目を観ながら今日の出来事を思い出す、どうも先生の顔が頭の中でチラつく…… …… ……
……それなりに疲れていたみたいでいつの間にか寝てしまった、時刻は二十三時……なんか下半身がムラムラする、昼間見た先生の股ぐらを生贄(おかず)にマスターPをしようかと思ったが、どうも気が進まない、やってはいけない気がする、いやソロより先生と実際にセックスをしてみたいと考える……すぐに麻美となら可能性はゼロでは無いけど先生とは、まず無理だと感じ、ため息を尽き、思い出した様に手帳ケースを制服から取り出し、中に挟んでいる先生の陰毛を透明のケース越しに眺めて見た、微かに先生の香水の匂いがする……
何故、先生は股にも香水プッシュてるのかな?
なんでだろう?
なんかそれ以上は考えたくない気分になって来たので、もうその日は寝る事にした……
翌日学校の帰りに麻美を誘い、よろず屋に寄り、アイスを買い、外に置いてある青色の横に長いベンチに座り、少し先生について聞いてみる。
「あのさー 前にも聞いた事あるけど、先生って男いるの?」
麻美のアイスを咥えてる口がピックッと止まる。
「なにそれ?」
「なにそれ、じゃなくてさ、聞いてんの」
「はっはーん なるほど、そう言う事かー そっかそうなんだー やだね! 教えない! 自分で聞きなよ」
「麻美のケチ」
「何、ケチってわかったわよ、おねいちゃんに仙身がセックスしたいから呼び出してくれって頼まれたって言っとくよー」
「え! そう言う事じゃないよ」
「そういう事だよ! サカリスケベ」
麻美は残りのアイスバーを一気に頬張り「あー頭イッタ」と言いながら、そのまま自転車にまたがり帰ってしまった。
「なんだあいつは」と思ったと同時に早まった行動をしてしまった気がした、麻美は言うな……どうしよう。(汗)
その翌日、先生の態度に特に変わりは感じ無かった、どうやら麻美は昨日の僕とのやり取りは、しゃべってはいない様だ、よかった。
帰り、紅葉が乱れる様に落ちる、校門に背をもたれ、腕を組む姿で、麻美が僕を待ち構えていた。麻美は美人で可愛いが背が高すぎる、180近くある様に思える、165の僕は威圧感を感じる。
腕に生徒会の赤い腕章を付けて、たたずむ姿も女番長感がある、規格外の長い日本刀を持ってると似合いそうだ(汗)
その麻美が僕に笑顔で手を振ってきた! 何かそれが怖かった。
「何? 麻美」
「昨日は悪い事しちゃったかな~と思って」
「別に気にしてないよ」
麻美は自転車を手で押しながら僕についてきた、僕の家は帰り道に山道があるので自転車通学は出来ないので歩き通学だった。麻美が僕に何か言いたい事がある様なので、とりあえず、昨日の様によろず屋に寄り、買い食いをする事にした。
いつもの青いベンチに二人で座り、僕はコロッケパンをかじる……。
麻美とは昨日の事から何か気まずく感じ僕からは話しにくかった。
そんな僕に業を煮やしてか麻美の方から口を開いた、
「昨日聞かれたおねいちゃんの事さー 教えてあげるから、交換条件じゃ無いけど、私のお願い聞いてくれる?」
「僕にできることなら良いよ、絶対とは言えないけど」
「あのさ、恥ずかしいんだけど私さ、最近BLに興味持っちゃってさ、本を買ってきてくれるかな?」
「お安い御用いいよ」と答えた、僕は、よろず屋のおじさんに別にどう思われようと構わなかった。
「今、買ってくるよ、どんなのが良いの?」
「制服着てるとダメでしょ」
「あ、そっか、じゃ一回家帰るは、買った本はどこで渡す?」
「そうね、お店に入ったら連絡くれるかな、私しお店の前まで取りに行くから、夜がいいかな七時頃、ハイ! これお金、お釣りは取っといて」と僕に2千円を差し出した。
麻美に希望の本の内容を聞き、食べる物を食べ終えたら早々に明美とは別れた。
その夜、よろず屋でエロ本を買う前に麻美の携帯に電話をし、ブックスペースに向かった。本の種類はあらゆる性癖に対応できるに多種多様に揃えられており、それは店主のコダワリと情熱を感じた。
少し置かれている本を眺めてみた……
[先生お願い!]という本が気になり手に取り適当なページを開いてみた……
その適当に開いて目にした場面は、女教師が鞭で男子生徒を……
少し想像し急に恥ずかしくなり、すぐに本を閉じ、棚に戻し、気を取り直し、麻美に聞いた好みと照らし合わせてこんな物かな~と思ったBL本を買い、よろず屋を出た、そこには麻美……その横には、なっなんと! 先生もいた!
麻美は口を開いた、
「あれ仙身、偶然じゃん何買ったの? 私しは食後のデザートをおねいちゃんに、ねだったらさ、買ってくれるって言うからさ」
「えっ?」
麻美は素早く僕の手からエロ本が入っているビーニル袋をかすめ取り、
「何買ったの? 見せて見せて」
とBL雑誌を袋から取り出し先生にわかるように表紙を態とらしく先生に向けた!
麻美は、
「あれ、ゴメンと」言って僕にエロ本を返した……
『麻美~ 僕をハメタナ』
先生の顔は、目が充血して顔が赤くなっていた、少ししたら笑いを堪えてるように口が震えていた。
「じゃ! またね、安心して私達、誰にも言わないからね! 人それぞれ趣味あるから」
と白々しい事を言って、先生の手を引っ張ってよろず屋に入っていってしまった……
先生は一回こちらを振り向き、哀れな視線を僕に向け、何も言わずに麻美と店の中に消えた……
麻美恐るべし!
あいつは諸葛孔明なのか?(中国三国時代の策略家)
帰り道に少し考えてみた……なぜ麻美あんな事をしたのかな? 妬いてんのか? うーん麻美も可愛いけど、僕は先生じゃないとダメなんだと自分の心を再認識した。
月は満月だった……。
後日、やはり居ても立ってもいられない気持ちになり、先生にこの一連の麻美の計り事を全て包み隠さず相談したら、そこは教師であり、麻美を呼び出し双方の話しを聞いて公平に判断し麻美を叱ってくれた、僕の誤解は解け、一安心したと思ったが、よくよく考えてみたら、これも麻美の手の内だった、様は麻美は先生に僕が好きだという事を自然に認識させる事に成功したのだ、先生としては妹の好意を持ってる男性は避けるのが普通だ、また僕が麻美に聞いた『先生に男がいるのか?』という事も先生に知られてしまった(麻美がしゃべってしまった)それついて先生は何も言わなかった、様は相手にもされなかったのである。
いわゆる僕は自然に先生に振られた形になってしまい、僕の先生に対しての好意の芽も早期に熟す前に摘まれてしまった様な物のだった。
今回の事はどう転んでも麻美が徳するように仕掛けられた策略だった!
負けた! ……それは認めよう。
今回は誤解が解けただけ良しとしよう。
僕は帰り道の池に写り混んだ自分の顔を眺て見る、正直悔しい……しかし僕の瞳と思いは、今だに獲物を逃してリベンジに燃える血に飢えた狼の様に狂気的に燃えている。
僕は……俺は先生を絶対に諦めない!
ちなみにBL雑誌は先生に没収された、先生は読むのかな? それは別の問題とする。【続】③へ
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