R18(エロ)ゲームをR18(グロ)ゲームに変える一般通過TS転生エルフ
メリー大尉
第1話 女エルフは何故か重武装
ある冒険者と化け物との死合いが、ダンジョンの地下を血と臓物で彩った。
目の前の化け物――脂肪がつまり醜く肥えた腹に、短く筋肉が目立つ腕と足、黄ばんだ爪と所々抜けている歯を携えている豚の様な顔、股間部にはやけに強調されているかのように馬のような生殖器が浮かび上がっている茶色のボロボロな腰蓑、まさしくエロゲー定番竿役の巨漢オーク――は見るも無惨な死体に変わり果てて、地面に冷たく座っている。
御自慢の巨木の如き棍棒は真ん中から引きちぎられるように折れて地面に散らばり、豚の様な醜い顔は上半分が消し飛び、肉片や頭蓋骨の破片は壁のシミになっている。千切れた顔の断面からはドプドプと真紫色の血液がむき出しの岩の地面で広がっていき、大きな水たまりを作っていた。
だが、それでも生命力が溢れんばかりの精力同様なのか、すでに死んでいるはずの死体はビクッ、ビクッと痙攣しており、まだ殺されてそこまで時間が立っていないことが伺える。
では、この惨すぎる死体アートを作ったのは誰か?それは目の前の人物による仕業だろう。
その死体の前にいる人物、この惨ったらしいアートを作った作者はオークに負けんばかりの巨躯を誇っていた。
鈍く光る黒鉄色の大甲冑を全身に纏い、バケツをひっくり返したような特徴的な兜の獣が引っ掻き出来た爪痕の様な三本線のスリットから、紅い光がにじみその雰囲気は鬼神のごとく。
右手にはバスターソード程の大きさで先端には太い杭と王冠のような突起がついた六角棍を持ち、空いている左手には光を通さない濃黒色をした丸いラウンドシールドを装備していた。六角棍は血と小さくへばりつく肉片が生臭さと鉄のツンッとした臭いが漂い、その凶器は処刑用のギロチンのような恐ろしさを纏う。
恐らくこの得物でこのオークの顔を潰したのだろう。
ふと、この巨躯を持つ冒険者は眺めていた死体に向かい腰に賭けていた皮鞘から抜いた大型で護拳つきのナイフをその脂肪でぬめる胸元に向かいザクッと突き立てる。
だが、その一突きでは目的を達成できなかったのか、猟奇的に何度も何度のザクッザクッとナイフを突き立て胸元の肉をそぎ落としていく。胸骨と肋骨の隙間に刃を立てバキッとへし折り、心臓辺りに手を伸ばすとこの猟奇的な行動を取ってまで欲しかった物が手に入った。
それは水晶の様に淡く黄色に光る透き通るような紡錘型のガラスみたいな物体だった。光は鈍く黒闇のこの空間においてランプよりも小さいが黄色い光で手元を照らす。
この物体を手に入れたことに満足したのか。この冒険者は死体を冷たく睨んだ後にさらに奥へ奥へとダンジョンの地下へ潜っていった。
その場に残ったのは血生臭い空気と、ダンジョンに吸収され黒っぽい灰になった砂場で子供が作ったような小山のみだった。
―――――――エルフ冒険中――――――――
とある街の一角にある冒険者ギルドにての出来事である。
「魔晶石10㎏の依頼達成を確認しました。はい!これが報酬金です!」
ギルドの受付嬢はしわのない制服に身を包み、顔に貼り付けた虚飾の笑顔でマニュアル通りの仕事を行っていた。
冒険者ギルドとは実に賑やかなものである。多種多様な装備と武器に身を包み、依頼で得た金を併設してある酒場で全部溶かすむさ苦しい男達が大声で語り合い、その場を彩る・・・これが何時もの冒険者ギルドである。が、今は真逆、一切音の聞こえない沈黙がその場に充満していた。
何故こんな沈黙が降りているのかは受付のカウンター見たら一目瞭然で分かるだろう。
陽炎が揺らぐオーラを幻視してしまうような圧を放ち、カウンターにて依頼の報酬金を貰う人物。黒色の大甲冑に大小様々な血痕を付着させ背中に依頼の物を詰め込んでいただろう薄っぺらなずた袋を背負い、受付嬢と淡々と依頼達成の処理をする大柄な冒険者。
かの鬼神の如き冒険者だった。
一体何をしたのかは想像出来るようで知らないことだが、この沈黙を作る原因となったのはこの冒険者のせいだろう。
現に一番隅っこを見ると青ざめた表情でプルプルと震える金髪で日焼けのしたチャラ男が視界にかの人物を入れぬように下にうつむいていた。
カツ、カツ、カツ・・・
かの冒険者が依頼の処理などを終らせたのか出口に向かい金属製の鎧靴を慣らす音が鈍く小さく、されどこの沈黙の空間に響くようにならしながら向かっている。
そして、出口から出ようとよく西洋劇のカウボーイが飲んだくれるパブのような腰まである扉に手を当てくるりと後ろを振り向く。
その視線の先にはあの青ざめたチャラ男がおり、視線を向けられることに気がついたそのチャラ男は脂汗をぽたりぽたりと垂らし、食肉加工される前の牛のように頭を下げながらその視線が外れるのをまった。
だがかの冒険者は特に何もすること無くその出口から出ていく。
カツカツカツと足音が遠ざかったことに安堵したのか冒険者ギルドの喧噪は元通りに戻り何時もの賑やかさがこの空間に彩った。
この街での何時もの日常の一部である。
――――――――
やぁみんな!俺は古根長助、テンプレのようにブラック企業の残業帰りに居眠りトラックにひかれて転生したごく普通の一般人だ!
所でみんなはエロゲーをしたことはあるかい?対○忍?それともヌキ○シ?かくいう童貞をこじらせたまま死んでしまった俺もエロゲーが大好きだった。
覚えている限りでは同人からゲーム会社が作った物まで多分3桁ぐらいのエロゲーをプレイしたスーパーイキリ童貞エロゲーマスターだ!
と、お巫山戯はここまでにして、そんな中で特に気に入っていたエロゲーがあるんだ。その名は、ゴッズストーリーズ。お察しの通り18禁ゲームなわけだが、このゲームのすごいところはエロ以外の作り込み要素も凄まじく、戦闘・ストーリー・育成のどれをとっても最高峰のゲームだった。古今東西あらゆる性癖を網羅したエロシーンは屈指の人気を誇りアダルトサイトでは常に抜きシーンのまとめが張られ、エロを無くしたR15バージョンでは累計販売数300万本を誇る。この人気ゲームで特におすすめなのが・・・
・・・話がそれてしまった。本筋に戻そう。
このゲームは確かに最高なのだが・・・中身の世界は世紀末を十倍濃縮したような過酷な背景で、大体のヒロインが深い闇を抱えており、制作陣の中に絶対愉悦部がいるだろうと思えるほどである。
さて、話を180度回転させるがゲームの世界に転生したいって考えたことはあるかい?俺は一応ある。例えばよくありきたりな”このゲームの世界に転生して主人公に成り代わりヒロイン達でハーレム築きてぇー!”という先駆者達に大変失礼な欲望を持っていたりしていた。
ん?何が言いたいかって?
転生しちまったんだよ。このゴッズストーリーズってゲームの世界にな。
いや、まぁ・・・さ。別にゲームの世界に転生したからと言って主人公陣営に関わりさえしなかったら生き残ること事態は簡単だろうし自分の言動一つで運命が変わることもないから楽っちゃ楽よ。それにエロゲーの世界に転生したのなら自分だって可愛いヒロイン達とピ―――ッしたいから自分の持てる知識をフルで使ってその世界を楽しむよ・・・
でもさー神様・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんでTS転生させたの?しかもエルフ?
もうこれ生まれたときに”お前けつなあな確定な。”って言われているようなものじゃん。
俺、男なのに尻掘られるのだけはマジで嫌よ?てかこのエロゲー世界のエルフの扱い知ってる?村は焼き払われて性奴隷として売られるわ、クソ野郎共に魔物の苗床にされるわ散々ぞ?
しかも俺、オークに○○プされた元冒険者の母エルフから生まれたんぞ?
もうダメだぁ・・・(絶望)おしまいだー・・・(さらなる絶望)折角エロゲーの世界に転生したのに何でチ○コ無くなったの・・・・・・(大いなる絶望)
って転生直後には思っていたな・・・。でも二度目の人生、いやエルフ生を手に入れたんだぜ?好きだったエロゲーの世界で。ならばやることは一つ。自分の処女を守るために(物理的に)ひたすら鍛えて俺tueeeeeムーブを実行するしかない!
と考えた俺は何やかんや修行して現在の大甲冑に鈍器+丸盾のスタイルで落着いたのだが・・・
ここで疑問に思う方はいるだろう”何で魔法とか弓使わんの?”って。確かにこの世界におけるエルフは魔法が得意で大体が弓兵か魔術師の遠距離or支援スタイルだ。
しかーし!俺には致命的すぎる障害を持っていたのだ!それは・・・適正属性が一切無いのだ!
もう一度言おう。適正属性が一切無い!
この世界において属性がない人は魔法を使うことが出来ない。ましてや大体の人が一つや二つの適正属性があるのに俺には一切無い!(強調)
それの癖に保有魔力量だけはエルフ随一。正に宝の持ち腐れ。
これを知ったときは”ハイクソ――――っやってられんわこのクソゲー・・・あー・・・”って脳内ポプテピ劇場が開幕した・・・はぁ・・・。
だがこんなことで諦める俺ではない(n回目)。この、生きる核融合炉ともいえる魔力量を全て身体強化に使うよくなろう系主人公が赤ちゃんの時からやる定番をやってのけ、そこから成人(15歳)になる頃にはな、なんと
身長190㎝体重100㎏巨乳のくせに筋肉モリモリマッチョマンの変態に進化しました――パチパチパチ
いや何でやねん!(謎の関西人)お前この世界のエルフの平均身長170㎝の癖に何2メートルの巨人になってんねん!しかもあの柔らかな肉つきからボディービルダー歓喜の割れたシックスパッドに牛みたいな乳をぶら下げやがって!最高です!
まぁ原因は俺の中に入っているクソオークの血統なのだろうけど・・・だってあの見た目でトロールとかと同じ亜巨人種だからね。十中八九巨人の血が目覚めたんだろう。だとしたらこの筋肉装甲に馬鹿力にも説明つくし。
まぁこれでよし!(現場猫風)
と、こんな感じで色々な苦境を突き放してくっころ女騎士みたいになりつつ一級冒険者として日々を暮らしている今日この頃。
不幸中の幸いで主人公に関わることもないモブとして楽しく酒を飲みながら充実した時間を過ごしてます。
それに原作開始3年前だから、このまま原作に関わることなくエルフ生を楽しんでいきたいと思いまーす!
さぁ、稼いだ金で今日も飲み明かすぞー!
拝啓前世の父と母へ。
息子さんは別世界で女エルフとして日々を充実したエルフ生を楽しんでいます。
但し、NTRのクソ竿野郎とゴブリン・オークは丁寧にぶっ殺しながらね☆
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