じゃあねってすれ違ったあなたはあの頃と変わらない懐かしい笑顔で手を振ってくれた。

普段は意地悪なクセに、屈託がない子どもの様な笑顔。

でもあなたがそんな顔をして笑ったのは、隣にあなたの大切な人が居るから。

昔私の隣にあったあの笑顔は、変わらずこんなにも近くにあるのに、もうどうしたって手が届かないくらいに遠くに行ってしまった。

なんでだろう？

なんでこうなったんだろう？

きっと、今の私はあの頃とは違う笑顔であなたに手を振り返してる。

あなたと一緒にいた季節には知らなかった気持ちを抱えて笑う私はもう、あの頃のようには笑えない。

あなたの隣、鏡のように向かい合った、あの屈託のない笑顔には…

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