窓の向こう
今日あなたの声を聞いた
いつも窓越しに見てたあなたの声を
いつもそばにいて
優しい言葉をかけてくれた
そんなあなたの声を
初めて聞いた
2人の間に透明なガラスがあって
ちゃんと見てたつもり
あなたの声も、知ってたつもりだったのに
不意に開いた窓の向こう
冷たい秋の、静かな風に乗って来たあなたの声は、
わたしを置き去りにするさよならだった
夕方の波打ち際で見た横顔も
2人で歩いた田舎道も
あなたのくれた手紙
見慣れた文字も
明日からあなたはわたしの知らない人
そっと窓を閉じて
肌寒くなった部屋
押し入れから引っ張り出した毛布に子どものように丸くなって
1つの季節の終わりを
わたしは壊れないように抱きしめた
そして
明日からわたしは
あなたの知らない人
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます