第4話

「達也!聞いたか?盗まれた鏡の目撃者いるって。」大樹は興奮しながら言った。

「あー聞いたよ。でも妙なことが起きてんだろ?顔が変化するとかなんとか」

「やはり先に今尾さんの方に聞き込みをするべきだよな」

「そう最初から言ってるだろう。」呆れた声で達也は言った。

「やっぱ、独断で行こうぜ。気になって他のことが集中できない。責任は俺が取るから。」

大樹は言い切った。

「いや、責任は俺もとるよ、もし怒られるときは一緒だ。」行くぞと手で合図を出した達也の後ろを大樹が付いて行った。


ピーポン。「はーい。」50代ぐらい男性の声が玄関の奥の方で聞こえた。

「●●警察の久世達也です。同じく佐藤です。」


「すいません。お帰りください。」


「いや、待ってください。僕たちまだ何もしてませんよ。」


「何も話すことはないので…」


「鏡の目撃者が出たんです。なんでも構いませんので鏡のこと聞かせてください。」

今尾は顔を青ざめてしばらくの間黙っていた。その後今尾は渋々承諾した。

「…わかりました、どうぞお入りください。」


「まず伺いたいのは、今尾さんの持っていた鏡についてなんですが、窃盗があったのはご存じですよね?」


「はい、知ってます。」


「その鏡が都内の路地裏にあったのです。しかも地に埋まっていた。捨ててある感じでした本来なら窃盗したものはどこかに売りに行くのが、犯行者の目論見だと思うのですがそれをしなかった何故だと思いますか?」


「さあ、なんともわかりませんが。」


「隠すためです。何があったか分かりませんがその鏡にはなにかある。それを隠すために誰も目につかないであろう路地裏に捨てた。しかし誰かが見つけてしまったそうですよね

今尾さん」


「ふん、なんだ。もうばれてますか…そうですカガミを捨てたのは私です。」

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