はなさないで・・・

進藤 進

その日

私は。

苛立っていた。


忙しい毎日で。

疲れが溜まっていた。


それは。

貴方も同じ筈なのに。


ただ。

ほんの少しだけ。


気持ちが。

すれ違っただけなのに。


「今日は貴方が夕食の当番でしょ?」

遅く帰った貴方に強い口調で。


「ごめん・・・」

言い訳もしない貴方は俯いていた。


「・・・」

私は次の言葉を飲み込むだけで精一杯だった。


そのまま。

気まずい夜を二人は過ごしたのです。

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