第9話

スライムを殺してからはゴブリンやホーンラビットを殺した。それから帰宅した。

父様には俺がどのように見えたのだろうか。兄様は毎回躊躇しながらも何とか殺していた。一方で俺は躊躇なく殺していた。

どちらが正しいとかその前に俺は大事なものが欠落している気持ちになった。切なさ儚さを感じていた。


「入るぞー。レオン俺の事鑑定してくれ」

「わかったよ」

ルイス=ベッカー

Lv3

スキル:剣術Lv5、体術Lv5

固有スキル:爆裂魔法Lv1


「おー!レベル上がってる!レオンも同じか?」

「うん同じくレベル3だった」

「そっかー。苦労したかいがあったな。それよりもお前すごいなあんな堂々と殺すなんて!かっこよかったぞ!自慢の弟だ」

「ありがとう兄様。兄様こそ足を震わせながら倒す姿は理想の兄様に見えたよ」

「からかうなよ」


部屋の扉を開けた兄様の顔は緩んでいた。もしかしたら俺がいつもと違うから気をつかって話しかけてきてくれたのかもしれない。


実際兄様が来てくれたおかげで先程感じていた疎外感は薄くなっている。


兄様には敵わないな...










魔物を殺した影響か懐かしい夢を見た。

忘れたくて忘れたくなくて、忘れてはいけなくて忘れることの出来ないそんな夢を見ていた。

彼女の微笑む姿はどこか儚く不格好のように見えた。






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