第38話

日本では、国外から入国した人物が殺人を犯して犯行直後に国外へ

出国されると、逮捕や刑罰を加えることが出来ないのが現状だった。

国際指名手配しインターポールへ協力を要請しようとしても、この特別な

スキルを持った人物達は証拠を残すような事はしない。

入国を確認できたとしても、1週間やそこらで出国して行く為、

この人物達と殺人事件を結び付ける事は極めて難しいのが現状だった。

最初は国会議員の死亡だったが、その次というのは地方の班グレなどと

言われるグループのリーダー格やギャングといったグループのトップを

標的にした事件が発生し出していた。

警察はこの不可解な殺人事件が各地方で度々起こっている事は

薄々気付いているようだが、犯罪組織の解体の足掛かりになる事柄で

あった為、過度には報道をしない様に報道各社に通達している様だった。

しかし、中にはトップをすり替えてグループを存続させている所もあり

全ての殺人が警察に把握されて捜査されているのかは疑問が残る所だ。

心は地方で国内の老人をターゲットにした詐欺行為を働く様な輩達を

排除して行った。

その噂が詐欺グループへ伝わったのか、逃げ延びたグループ達は

海外へと逃れて行っていた。

そのグループにも心は追っ手を送り込み、ついでと言った感じで海外から

国内へ詐欺行為を働いていた者達をも排除して行った。

武器商人が抱えている様なスキルを持った者を使ったからなのか

死亡してはいるが、それが殺人なのか自殺なのかの区別のつかない

様に殺害されていたケースもあったようで、報道された詐欺グループの

死亡ケースは報道された物よりもかなり多かった様だ。

このようなグループの排除には半年以上の時間を要した。

海外で日本人が死亡との報道をする国も数国あったが、心が放送内容にも

こだわり情報操作したので報道を止めるような事をしなくても、

日本人が数人死亡した程度との認識なのか海外で死亡した日本人の

グループがかなりの数、居いるという事実は、日本国内へ正しく

伝えられる事は無かった。

この、国内外の詐欺グループの排除されるまでの半年以上の時間を使い

心が行っていた事は、国会審議が中継されている映像の中に居眠りを

している議員がいないか、もしも対象になる人物がいれば、SNSを使い

居眠りをチェックする者が現れる様に、社会の不満を書きなぐっている様な

サイトを使い匿名でコメントを残して行くという事を行っていた。

SNSのサイトは複数に書き込みを行い、実際に国会審議が中継される

所を居眠りしている、議員がいないかというSNSへの投稿が出始める

まで3ヶ月かかったが、地道な作業が実を結び、現在では、国会審議が

行われている間は、お昼のワイドナショーなどでも今日の審議中に

居眠りをしていた議員が何人いたなどのコーナーが設けられるように

なっていた。

又、議員がwebサイトで自身の活動報告などを行っていない議員が

大多数いる事も、SNSのサイトにコメントを残しており、その活動報告など

を、行っていない議員にも活動報告を要求するメディアが現れており、

心のSNSのサイトを使ったのコメントが世論を動かしていた。

心は国会で居眠りをする事に注目を集めるに成功し、次に議員の

活動報告をWEBサイトへ報告するように仕向けたが、中々全議員がWEB

サイトを開設するという所へ行くまでには時間が掛かっているが、既に

WEBサイトを開設している議員のHPをハッキングしその議員の

スケジュースや交友関係や金の流れなど、よく使う飲食店や飲み屋に

至る事までの情報を集めて行った。

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