第50話 田舎王子 美人二人から怒られる

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「西王学園が勝ったら、一堂 雅さんには西王学園に転校していただきます!」




「ちょっ!それはどうなの!?雅の意見は?私らで勝手に決めていい事なの?!」

彩羽の意見は最もだ、常識的には・・・だが


「仕方ないですね・・想定はしてましたが、こちらとしては最悪な事態ですね・・」

「!?ちょい詩織?雅君の事なのに何冷静に話てんのよ!?」

「そ、そうです、学校の行事に個人の進路を掛けるなんて、非常識です!!」


慌てるメンバーに対し


「ご心配には及びません、この協定は雅さんも含め有効なはずです・・そうやんなぁ?詩織さん?」


詩織は黙って頷いた。


「静流はどないやのぉ?七星はこの話に賛同するん?」


急に話を振られたが、静流は理解が追い付てないようだ


「えっと、つまり・・体育祭でアタイらが勝てば雅はアタイらの学校に転校してくるって事でいいよな?」

空は黙って頷いた


「でもよ、あの超人的な身体能力を持ってる雅が出る東皇高にうちらの学校は勝てるのか?」


空は静流の質問に人差し指をたて「チッチッツ」と動かした


「勝負は女子の部だけでっていうたんよぉ、西王学園にはうちと静流が居ますからねぇ、万が一にも負ける事は無いと思いますけどぉ?」

そう言うと静流は手を叩いて喜んだ


「な、なるほど!確かに!」


「て、ことやさかいぃ、東皇高校の皆さん正々堂々勝負よろしゅうぅ」


東皇高校の面々は各々考える事が有るのか押し黙ってしまった。













許嫁達の邂逅から暫く後、都内の病院で一応の処置してもらた雅はというと・・・・




「何怪我してんの!!撮影控えてるって判ってる!?」

竜崎さんが腰に手を置いて、眼鏡越しでも判るほど目を吊り上げてる


「あ、えぇぇで、でも、撮影までには治りますし・・」


「はぁ?雅君!パンフの写真撮影あるって言ってたよね?ねぇ!」

鳳さんは俺の肩を揺すりながら怒ってくる


「そ、それは・・はぃ・・あ!で、でも長袖とか着れば!」


「夏公開の映画に長袖の服着た主人公が居る訳ないでしょ!!」

竜崎さんは俺のその場しのぎのアイデアを一刀両断した


「はぃ・・ごもっともです・・申訳ございません・・」


今まさに鳳プロの応接室で正座をして、鳳さんと竜崎さんの二人の美女に雷を落されてる真っ最中だ・・こんな時に彩羽も詩織も居ない


「事情はある程度は聞いてて、確かに雅君は人助けしたよ?したけども!!!自分が怪我したら意味ないでしょ!」


「ねぇ雅?私達撮影のプロなわけ、そんでアンタも歴は浅いけど撮られる側のプロなの、プロなら自分の受けた仕事に責任を持ちなさい!」

お二人の御怒りはごもっともで、何一つ言い返せない


「はぁ、これはパンフ撮影ポーズで誤魔化すしか無いわね・・・」


「青葉、何か良いアイデアあんの?」

鳳さんは、すがるような目で竜崎さんにお祈りポーズで訴えた。


「ここは、雅のソロでの撮影は諦めて、彩羽と詩織とのセットでポーズさせる」


「うん、うん、で?具体的には?」


「抱き合うシーンや、キスシーンのポーズね」


「!?ええ、いや、それはダメでしょう!」

そういうと二人から氷の様な冷たい目線と底冷えするような声で

「はぁ?誰のせいだと思ってんの?」

「はぁ?雅君に選択権とか無いから!」


さらに怯える俺は

「あ、で、でも二人が了解するか分かんないでしょ?!」

そういうと、鳳さんと竜崎はそれぞれが何処かに電話したと思ったら

「彩羽OKだって」

「詩織もOK」


「はぃ、それで宜しく願いします・・」

自分の責任であれば、ここは二人に従うしかない・・


「それにしても雅君、右手は利き手でしょ?不便じゃないの?」

心配してくれる鳳さんに


「大丈夫です、1週間くらいなので以前、鳳さん教わったハンバーガーでも食べて過ごします」


その日は、鳳さんに送ってもらうのは気まずいので自分で歩いて帰る事にした。

途中でハンバーガーのセットをテイクアウトして自宅の寮に戻ると、玄関を開けて部屋に入る








「あ~あ、おかえり~~w」




「ただいまー」



ハンバーガーセットを玄関に置き、靴を脱ぐ・・ ん?!



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