光芒

 美しい光を見た

 泥濘でいねいに射す光芒こうぼう


 淡い花びらが舞い上がる桜色の空

 青を繋ぐように流れ続ける入道雲

 色なき風を染める 落ちてなお鮮やかな葉

 こんこんと 音なき音を奏で積もる白い花びら


 朝焼けに目を眩ませながら 差し伸ばされた手を取ると

 途端に拒絶反応を起こした身体が炎症を起こし

 また熱が出た


 ゆっくりおいで 待っているから

 ゆっくりおいで ここに居るから


 美しい光を見た

 泥濘に射す光芒

 その先に 道があると知って

 一歩 また一歩と進む足

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