第10話『報告10』
案件の確認で急遽鳴門へ向かうことになった私は安定の徒歩で愛媛を出た。
出てすぐ山道が待ち構える。
楽ではないが夜ではなく明るいこともあり自然と不安さはなかった。日が照りつけることでの熱中症だけ気をつけながらひたすら歩いた。高知~愛媛の区間とは違い思った以上に歩道はなかった。
こんなところ歩く奴はいないだろうなと思いながらトンネルをくぐると1人の男性に声をかけられた。どうしたかと思ったらどこまで歩いて行く気?と尋ねられた私は香川までと答えた。
すると山を越えたところに家があり近くにローソンがあるからそこまで乗せてってあげると言われた。正直初めての体験で驚いた。
車に行くと女性が助手席に乗っていた。
見る限り親子だろうなと推測。どうやら自分を通り越して気になったみたいでわざわざ先で停まってくれていたみたいだ。
車内ではトークも弾み助手席の娘さんも笑いながら話を聞いてもらえた。世の中本当に親切な方もいるんだなと考えさせられるシーンとなった。コンビニに降りてご飯と飲み物を買ってくれるとまで言われ、さすがに申し訳なく飲み物だけを頂いた。恥ずかしながらとくになにも渡すものなどなかったのでお礼だけはしっかりしてコンビニをあとにした。
山道を抜けたのもあり歩いた道は平坦な道のり。車の中でさえ感じた遠く傾斜のある道のりは歩いていたことを考えると少しヤバかったなと感じるほどだった。
本当に親子さんには感謝しかない。
この文章を見ることはないだろうが…
本当にありがとうございました!
現在地は香川の手前。
私の歩き旅はまだまだ続く。
この文脈を1人の友に送る。
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