第13話
俺の名前は黒野勇人。異世界帰りの世界最強だ。今は、幼馴染の雅人の立ち上げたギルド、ガラド・ゴルドから世界各地へ派遣されている。が、ひまなので、こうなった経緯を軽く振り返ることにした。
ある日、トラックに轢かれそうになった俺は、異世界の神を名乗る変人から、ほぼ強制的に異世界に転移させられた。
そこで、その変人に、魔法を鍛えるなりなんなり好きにしてもいいと言われた俺は、その時の好きな人に告白するために、空間魔法を極めて、ついに元の世界へ戻る魔法を編み出した。
早速それを使ってみると、これまでに攻略したダンジョンの報酬、ダンジョンコアが光りだして、15000まで頑張ってレベリングしたレベルが1にリセットされて、ダンジョンと一緒に転移する直前の状況に戻った。
あちらの世界で鍛えた反射神経でなんとかトラックを避けることはできたが、レベル1の状態で以前と同じように体を動かしたので、全身筋肉痛となった。
ちなみに、告白は失敗して盛大に振られた。
その後、ダンジョンが世の中に浸透するにつれて、ギルドという組織体制が生まれて、その流れで雅人のガラド・ゴルドというギルドに参加することとなってしまい、レベルを取り返すために猛烈にレベリングして、今に至る。
三年ほど前は、面白そうなドラゴンがいたのだが、一度暴れたあと、鳴りを潜めているので大変暇である。
アメリカでは、かなりの頻度でイレギュラーが発生するので、それを気晴らしにぶっ飛ばしている。あそこはダンジョンの量が日本の3倍もあるから、その分イレギュラーは起きやすい。
異世界から帰ってくるときに、あの変人から10年後、ちょうど今年に大変なことが起こるから頑張れと言われたが、無視が一番。気にしない気にしない。
ピロン!スマホがなった。誰からの連絡だ?雅人くらいとしか連絡先を交換してないし、当の本人は今忙しいはずだ。LONEを開いて確認すると、なんと雅人からだった。嫌な予感がするので恐る恐る開けてみると、そこには面倒ごとと一緒に面白そうなことが書かれていた。内容はこんな感じだ。
『急に連絡してすまない。今、日本で大変厄介なことが起きて、脳筋の手でも借りたい気分なんだ。そこで君にはこれらのことを頼みたい。一つ、君の転移魔法で原宿ダンジョンに潜っている探索者を全員、外に避難させてほしい。二つ、その後、100体ほどのイレギュラーミノタウロスと、それを率いるドラゴンを片付けてほしい。』
誰が脳筋だ脳筋!一応頭脳派なんですけど!だが、俺は原宿ダンジョンに今どのくらいの人数が潜っているかも、どこにいるのかも知らない。まあ、ダンジョンの中で空間魔法の初歩である空間認識を使えばわけもないが、少々骨が折れる。
だが、その後に待っているミノタウロスとドラゴンには、期待させてもらおう。
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