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第31話 おいおい、謎すぎる



パーティーの波乱からしばらく


ジークは目が覚めた後

右の手を視線の先に持ち上げ

じっと見つめていた。


「この印なんなんだろう。」

独り言ちた言葉はジークの耳にしか入らない。


(ダンジョンの攻略で印が付くのは

僕の記憶にはない。)


では、これはなんだ?

ジークは深い思考に落ちる。


これから起こることは

ある程度は検討済み

学園では主人公が貴族との対立を舞台に

のし上がっていく。

僕が学園に入った時点で

対立貴族筆頭になるのは

想像に難くない。


受験はまだ先だ。

まずは、ダンジョンへ行って

コアに話を聞いてみるしかないか。


ある程度の考察を終えたジークは

身支度をし、扉を開ける。


「あれ、ジーク。おはよう。」

ちょうど廊下を歩いていたカナンに声をかけられ

少しビクッとするジーク。


「おはよう。父上。ちょうど良かった。

鏡乱の回廊に行きたいんだけど。

大丈夫かな??」


これまでのジークはカナンに

には極力出ないように

と言われていたため

確認を取った。


「うん、この間の件で

大々的にジークの実力、容姿とかは

知られちゃったからね。

もう隠れる必要もないさ。

今後も自由にしていいからね」

カナンはニコッと笑うと

すたすたと歩いて行った。


今後は自由に動いていいみたいだ

そうと決まれば行くしかない!!


ジークは鏡乱の回廊へと向かった。


エリーは私用でジェイは酒場に行ったみたいで

久しぶりに一人で出歩いているジーク


(一人で行動するなんてルイスの件以来だなぁ)


久々に一人を満喫しながら

ダンジョン都市をうろうろしていたジーク


気づくとあっという間に

鏡乱の回廊の前へと到着し


門番とあいさつを交わす。


「入ってもいいかな??」

ジークの問いかけに

綺麗な敬礼をする門番


OKだと考えダンジョンへと足を進め

ジークは中に入った。


前回と変わらない入り口。

改変がどうとか言っていたため

終わっているかはわからないが

ジークは目を閉じ心で念じる。


(コアへの移動を)


そう思った瞬間

自分の体がぐらりとなった気がして

目を開けると

前回と同じ幻想的な空間が広がった

場所に立っていた。


前回と違うところは

柱にコアが置かれている事だった。


『マスターを確認。ようこそ

始まりの間へ』


懐かしさを感じる

機械的な音声に耳を傾け

ジークはこれからのことを考え

質問する。


「この右手の印は何であるの??」



『質問を確認。

審議します、、、、、、、、、

一部の情報開示による可決。』


『このダンジョンの主導権を持っているため

印が刻まれます。

印はダンジョンのコア空間へ入る際に

鍵となり認証することで

出入りが自由になる。そのためのものです。』


「ありがとう。

このダンジョンのほかにも

マスターダンジョンと呼ばれるものはあるの?」


『審議します、、、可決。

本ダンジョン以外にも

マスターダンジョンは存在します。』


ということは、

レヴィやウィスのような

アーティファクトはまだ存在するということだ。

だがなぜ、生きている、意思を持っているのか不明だ。


そんな疑問をコアは感じ取っていたのか。

『疑問を確認、審議します、、、、、

各種情報開示へ抵触するため否決』

これは何やらダメみたいだ。


『マスターは今後も

ダンジョンを攻略するおつもりですか?』

コアから初めて質問が来た。


「謎が深まるばかりだしね。

今後も攻略したいとは思っているよ。」


『そうでしたか。先ほどの件で

私が持っている情報だけでしたら

お伝えすることができます。』

コアはそう言った。


「よろしく頼むよ。」


そこからコアの話が始まった

鏡乱のコアと呼ぶには

長いからミラーからとって

ミラちゃんにしよう。

ミラちゃんが言うには

レヴィやウィスのような

アーティファクトの中でも

さらに特殊なものは存在しうると言う事だった。

マスターダンジョンは

特殊なアーティファクトとの

接続が必要なため

何かしらの自我等を持っている

可能性が高いらしい。


「地道に探すしかないか。」


『そうせざるを得ないですね。

お役に立てず申し訳ありません。』

ミラちゃんは謝ってきた。


「大丈夫だよ。時間はいっぱいあるし。」


『ほかの質問にも答えられる範囲で

回答いたします。』


感覚的には結構な時間がたっていると

考えたジークは


「またすぐ来るよ。

その時まで質問を考えとく」

ジークはそう言って目をつむり


(入口までお願い)


来た時と同じような感覚が起こり

ダンジョンから出るのだった―。


ミラちゃんには意思があるのか?!

どっちなんだい!!

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