プロローグ

 俺の名前は、明宮真人めいぐうまひと

 いや、違った。

 今は迷宮魔神めいきゅうまじんだった。

 俺は所謂いわゆる前世という所で、工事現場の事故に巻き込まれ、異世界のダンジョンというのに転生したんだった。

 テンプレの真っ白な空間で目覚めたわけでもなく、女神とやらの説明があるわけでもなく、まさに右も左もわからない状態での転生だった。

 転生先では、日々四苦八苦しながら少しずつダンジョンの規模を拡大させていき、ついには魔神に至るまでとなった。

 魔神となり、外の世界への憧れが強くなっていった俺は、仲間たちにも恵まれ、セイクリッドスライムのクリス(人化中)、ハイエルフのヴィア、エルフのジョイナ、精霊王のアル、ディーネ、ルタ、サラ、リア(放浪中)、リム(放浪中)、俺が創造魔法により作り出した猫のシロ、クロ、他にも自警団やダンジョンに街を作り、イルムド帝国の奴隷から解放した獣人たちを住まわせ、地上にあるメイグウ商会にダンジョン産の物を卸し、販路の方も順調に拡大していった。

 そして、スローライフをしていると、かつて勇者と共に魔王討伐の旅をしていた黒竜、ゼノム・ブラックと出会った。

 ゼノとは色んな話しをしたが、俺に世界を導く者という役目と、人化を託してダンジョンの一部となった。

 ゼノの魔石によってダンジョンの核を新たに作ることが出来た俺は、ついに外の世界へ出ることができたのだった。

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