第35話 杉本城の戦い⑦

もちろん、ここで僕が死ぬとこの戦いがほぼ決着がつく状態になってしまう。


だからこそ、ここで俺は勝たないといけない。負けても死んではいけない。


そう思い、伊弉諾を握りしめる。


そして馬を操り、北畠に詰め寄る。


北畠は規格外貴族。名和みたいに簡単には倒れてくれない。


伊弉諾で首を狙おうにも、相手の剣で防がれる。


しかし、相手の疲労が見える。


今なら、体力の差で倒せるかもしれない。


そう思い、北畠との距離を近づける。


もちろん、相手も剣で防ごうとする。


残念だったな。俺の狙いはお前の剣を弾き飛ばすこと。


狙い通りに相手の剣を弾き飛ばし、相手の体制が崩れた。


そこを見逃す俺ではない。


首を取るために剣を振る。


しかし、そう簡単には終わらせてくれない。


剣を躱し、弾かれた分距離が出来て勢いがかなり強くなった件が俺に向かってくる。


それに向かって上から伊弉諾を振り下ろし、剣を折る。


もう相手には剣がほぼ使えない。


そう判断し、俺は北畠の首を狙う。


そして、剣は首の肉を通り、北畠顕家の首は地に落ちた。


「北畠顕家、討ち取ったぞ!」

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