第12話 兄と遊ぶ日々

 ルルアとコルアが家に来て一週間が経った。

私は毎日ルルアとコルアと交互に遊んでいる。

今日はルルアの日だ。

「リリィ。今日は何して遊ぶ??」

そうやって毎日聞いてくる。

ルルアとコルアは貴族になりたてで、礼儀作法を日替わりに教えてもらっている。礼儀作法のレッスンがない日に交互で私と遊んでいるのだ。

逆に順番を守っている方がすごいほど、ちゃんとまもっている。私だったら守んないだろうなぁ〜。そう思った。

「ルルはにして遊びたい??」

そう聞くと、ルルアは手を顔に当ててうずくまった。

「!?ルル??気分悪い!?」

「いや、そういうことではなくてね、リリィ。」

「どうしたの!?」

私はルルアに問い詰めるが、顔を赤くして目をそらすばかり。

「な、なんでもないよ。それより、遊ぼ!」

そう言ってルルアは私の手を引いて走り出したのだった。


 「はぁ、はぁ、リリィ。少し休憩しよ??」

「えー??まだ遊ぼうよ!」

「ちょっとまってよ!もう3時間も鬼ごっこ二人で続けてるんだよ!少し休憩しようよ!」

「まだもう少し遊ぼ??だめ??」

私は可愛くおねだりしてみるが、ルルアの心は動かなかった。

「リリィ??休憩しようね??」

少し怒っているような笑顔で優しく言われ、私は従ってしまった。

「はーい……」

私は残念そうな声を出しながらルルアが座っていた木陰の近くに座る。

「はい。」

そう言われ私はルルアから見たことのない飲み物をもらった。

「これ何??」

「リリィは知らないかな??これはスポーツドリンク。前に本で読んだことがあってそれをアイランさんに伝えたら一緒に作ってくれたんだ。確か名前は……」

そう言ってルルアは思い出したかのように言った。

「名前はOS1!」

私はその名前を聞いた瞬間吐き出しそうになった。

OS1って現世にもあったものじゃない!

え??どこの本にそんな情報が乗っていたの?

私はまた不思議に思った。

初めて会ったときのハチミツのことだってそうだ。

なんでルルアは知っていたんだろう?

そんな事を考えてると5時を知らす教会の鐘が鳴った。

「リリィ。そろそろ帰ろ!」

そう言ってルルアは立ち上がり、歩き出した。

私も後を追って歩き出したのだった。

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