第8話 喋りだした悪役令嬢(2歳)
それから時は経ち、私は2歳になった。
まあ、人が聞き取れるぐらいまで喋れるようになった。
「マンまぁ!!ぱんぱあ!!」
「聞いた!?マリアちゃん!!リリアちゃん、喋ったよ!!パパ、ママって!!」
「そうだね。サファリ。でも、リリアがびっくりしちゃうからあまり大きな声は出さないでね。」
「わかってるさ。マリアちゃん。」
ねー。リリアちゃん。そう言いなからお父様は私の顔を撫でてくる。うぅ……お父様の手、気持ちぃ……
それでも、お母様は、私が喋ってあるのを見て本当は心から喜んでいるんだけど、ね……
あんまり喜ぶことができないのはあの事件のせいかな??
それは一年前のこと、私はハチミツで殺されそうになったことからお母様は、めったにパーティーを開かなくなってしまった。実の娘を殺されそうになったからだろう。そんなことは置いといて、お母様のツンデレ度は日々加速しているのだった。今だってそうだ。
「もう!!サファリは、リリアばっかり!!まぁ、そういうところが好きなんですケド……」
?????????
私のお母さんって………重度のツンデレ??って、もう一度私は頭の中で考えた。これだけ言っておいてお父様全然聞いてないし!!もう!!早くちゃんと喋りたい!!あーー!!もどかしい!!
「失礼します。旦那様。奥様。商談の時間になっております。」
タイミングよく、リオがやってきた。
「わかったわ。行くわよ。サファリ。ほら、早くしなきゃいけないでしょ??」
「うぅ〜〜〜マリアちゃん。そんなに言わなくてもいいじゃない!!ねぇ~。リリアちゃん。」
顔をお父様に揉まれながら私は聞いていた。
うぅ……気もチィ〜〜〜。
「パンパ。マンまぁ、プンプン」
私はお母様指さして言った。
「!?リリアちゃんがプンプンって言ったぁ!!!」
「ほらぁ〜。サファリがあまりにもリリアにかまっているからウザかったんじゃないの??」
!?私はお母様の言葉にびっくりした。この世界に「ウザイ」って言葉あったんだ………。そんな
「!?ひどいよマリアちゃん………。そんなに言わなくったって……」
そう言ってお父様はお母様の耳元に口を近づけ、お母様のお腹に手を当てる。
「リリアちゃんも大切だし、マリアも大切だよ。だから……」
私には聞こえなかったけど、お父様がお母様に何か言うと、お母様の顔は赤く染まっていった。まるで梅干しのように。あぁ、お父様お母様に夜の営みかなんかいったのだろうな……
はァ………私の両親ってほんと……ぴゅわでなんかこっちが照れるような行動ばっかりしてくるな……
なんか……破滅したいと思ってて申し訳なくなってくる……。そんなことを思いつつ私はリオの方を見るとリオも頭を抱えていた。あぁ、きっとリオも悩んでいるんだろう。この二人に。
「マンまぁ。パンパ。りーりこんこん。」
(ママ。パパ。リオ困ってる)
私は今私が喋れる範囲でリオのことを伝えた。
すると、皆が一斉に私の方を見た。一瞬部屋が静寂になった。
最初に喋ったのはリオだった。
「お嬢様………。私の名前を読んでくださいました??」
私は不思議そうにしながらももう一度リオのことを呼ぶ。
「??りーり??」
「「「!?!?!?」」」
私がリオのことを呼ぶと3人はとても驚いた表情をしていた。
「今、お嬢様。私のことりーりと呼びました!!聞きましたか??旦那様。奥様!!」
「「ええ。もちろん!!!」」
両親はリオを見ながら笑顔で頷く。
「そうかぁ………リオのことも名前で呼ぶようになったか……」
「えぇ……。成長は早いものね……」
ちょっと!!貴方達しんみりしてますけど早すぎませんかね??そう思いながら私はリオの方を見るとリオは嬉し涙を流していた。
!?!?私はびっくりしちゃった!あのリオが泣いた!?いつも、クールでかっこいいリオが!?私は驚いてしまい、お母様とお父様を呼んだ。
「マンまぁ!!パンパ!!りーりが!りーりが!!」
そう呼ぶとお母様もお父様もリオの方を見た。
「「!?」」
二人共リオが泣いているのを見て驚いていた。
「やっぱり……パーティーを開くしかないんじゃない!?」
!?!?
コイツほんとに言ってるのか??
いゃ、でも、いいと思った。だってあのリオが泣いたのだから。
「!?だめだよぉ!!マリアちゃん!前回リリアちゃんの命を殺しかけたんだから!!次は何をするかわからないし……」
「そうだと思います!私も奥様の意見には賛成できません。本当にすみません。ですが、次リリア様に何かあったら私も奥様や旦那様のように倒れてしまうかもしれません!」
!?
お前も倒れるんかい!?
こんなにも私の周りの人ばかり倒れていたら逆に不審がられないかな??
「んーん!」
私は声を上げる。すぐに振り向く過保護な見守りたい達。
「「「!?」」」
私は言った。(人が聞き取れる声で)
「パーティぶうぶう。みんなでケーキ食べるのぉ!」
その言葉に惹かれたのかわわからないけど、パーティーは開かれずに、後日ウエディングケーキ並みに大きいケーキが家に届いたのだった。
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