空からの贈り物。*エンドランドの妖精*
猫野 尻尾
第1話:空からなにかが降ってきた。
光の国「エンドランド」は異次元のどこかにあって、その国にちょっとばかし
可愛くて、お茶目な妖精たちが住んでいた。
妖精たちはニンフと同類ですべてが女性で、彼女たちは「エンドランド」の中央に立っている「フェリムの木」の根っこから生まれる。
妖精は人間にはない不思議な能力や魔力を持っていて、それは魔法のような
もので、宙を自由に舞ったり、傷を癒したり病気を治療したり時には心のケア
まで得意とした。
死んだ人までは蘇らせることはできないが妖精たちに治せない病気はなかった。
そしてこの話の舞台となる人間界。
「姉ちゃん、行ってきま〜す」
「いってらっしゃい!
「ほ〜い」
そう言って僕は玄関を出た。
「お〜今日もいい天気だよ」
僕の名前は「
って空を見上げた時、空?って言うか空間?って言うか・・・一瞬ピカっ
と光った。
その光が眩しくて目をふせたけど、なにが起きたのかすぐに見たくて
光った方を片目だけ開いて確認した。
そしたら
「え?・・・なに?人?」
光った空間から、上向きに寝た状態で誰かがゆっくり降りてきていた。
そのままだと間違いなくに地上に降りてくる。
僕は目測をつけて降りてく人?の場所まで移動して、そこで降りて来る
その人を待っていた。
その人がスローモーションみたいに徐々降りて来る・・・。
なんで、そのままストンって落ちてこないんだろう?
「え?・・・女?・・・女の子?」
地面に降りるまえに僕は彼女を受け止めた。
いわゆるお姫様抱っこ。
僕の目の前に降りてきたのは間違いなく女の子。
見たところ、年格好は僕と変わんない感じだった。
その子の顔に僕の顔を近ずけて息をしてるか確認したら、ちゃんと息はして
いたから大丈夫なんだろう?
ってか、めちゃ可愛い・・・なんかアイドルみたい。
「君・・・君、大丈夫?」
声をかけたけど目を覚まさない。
「君!!・・・大丈夫ですか?」
「困ったな・・・このままここにいて車が来たりするとヤバいかも・・・」
そう思った僕は彼女を抱いて自分ちへ連れて帰った。
「姉ちゃん・・・この子が空から降りてきた」
僕がそう言ったもんだから台所にいた姉ちゃんが玄関まで来て言った。
「なにバカ言ってるの・・・学校遅れるわよ・・・・・」
「え?・・・なに?・・・それ、その子どうしたの?」
「なんでお姫様抱っこなんかしてんのよ」
「そこで拾った」
「拾ったって・・・犬や猫じゃあるまし・・・」
「とにかく声かけても起きないんだ」
「放っておけないだろ?」
「なんでもいいから上がらせてよ・・・この子見かけより重いんだ」
「ああ、じゃ〜とりあえずソファにでも寝かせて」
ちなみに姉ちゃんの名前は「
僕より四つ歳上・・・今は姉ちゃんと二人暮らし。
親からの仕送りと姉ちゃんと僕のバイトでやりくりしている。
「拾ったってどういうことよ」
「拾ったっつうか・・・空から降ってきたっつうか」
「空から人なん降って来るわけないでしょ」
「大気・・・ゲームのしすぎだわ、幻覚見てるんだよ」
「違うよ・・・この子は幻覚なんかじゃなくちゃんとした実体だろ?」
「姉弟で同じ幻覚見るわけないじゃないかよ・・・にしてもこの子おっぱい
デカ・・・巨乳通り越して爆乳じゃん・・・なに入ってんだろ」
「どこ見てんの・・スケベ」
「可愛い顔してるな〜」
「なんで空からなんか降りてきたんだろ・・・分かんないんだよな」
どうしたもんか・・・。
まじで降って湧いたような出来事に姉ちゃんも僕も戸惑っていた。
だいたい人が空から降ってくるってこと自体、ありえないだろ?
ファンタジーやSFじゃあるまいし・・・。
あやしい話が満載な雑誌に話したら喜んで取材にやってきそうだよ。
行きがかり上とは言え、この子に関わちゃった以上放置するわけにも
いかないし・・・なもんでこの子が目覚めるまでは様子を見ることにした。
大気はソファーに寝てるその子を見て胸キュンになっていた。
ってことは?一目惚れ?・・・見ず知らずの女の子に?まあ、ありえること
であるかな。
とぅび〜こんて乳。
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