第33話 初迷宮④
大魔猿は冒険者の死体を利用してアンデッドを創りあげた。大魔猿はどうだとばかりにこちらを見ながら吼えるが、元冒険者のステータスを見ると。
名前 :マニャック・ムルム
種族 :リビングデッド
ランク:3
LV :22
HP :487
MP :84
力 :281
敏捷 :48
体力 :∞
知力 :3
魔力 :24
運 :21
パッシブスキル
剣術LV1
槍術LV2
闇属性耐性LV1
身体能力上昇LV1
アクティブスキル
闘技LV2
槍技LV2
固有スキル
なし
名前 :ロー・ヒス
種族 :リビングデッド
ランク:3
LV :23
HP :387
MP :104
力 :234
敏捷 :67
体力 :∞
知力 :5
魔力 :46
運 :29
パッシブスキル
索敵LV2
忍び足LV2
短剣術LV2
罠発見LV2
闇属性耐性LV1
アクティブスキル
闘技LV1
短剣技LV2
開錠LV2
罠解除LV2
隠密LV2
盗むLV2
固有スキル
なし
所詮、猿は猿なのか? 手下の魔猿より弱いアンデッドを創ってどうする。
嬉しい誤算なのは、アンデッドになっても生前持っていたスキルはあるようだ。2体のアンデッドが襲いかかってくるが、知能が低いのか、スキルも使ってこずに殴りかかって来るのみだ。
わざと手こずっているように見せながらスキルを全て奪ったところで、一匹目のリビングデッドは撲殺、二匹目は首を撥ねる。残りの冒険者たちもアンデッド化してくれないかと期待したが、さすがにそこまで馬鹿ではなかったようで、こちらに大魔猿が飛びかって来た。
「ホギャッ!!」
先ほどの魔猿とは比較にならない速度で接近し、噛みついてくる。咄嗟に左腕の黒曜鉄のガントレットで防ぐが、単純な腕力はスキルも含めればこちらが上のはず。だが、大魔猿の咬筋力が凄まじく振り回される。
ミシミシ……。
噛みつかれたガントレットから鈍い音を立て始める。このままでは砕かれて腕は喰い千切られるだろう。その間も大魔猿は腕を振り回すので、防具でカバーされていない箇所は肉ごと持って行かれて血塗れだ。
スキルを奪う時間稼ぎも終わったので、魔拳で左腕に火の魔法を込める。左腕が熱を帯びていき。噛みついていた大魔猿も堪らず、一旦距離をとる。
明らかに動きが悪くなっているが、スキルが奪われていることに大魔猿は気づいていない。
(まさかスキルが奪われるとは思わないか)
距離を取った大魔猿に、
大魔猿が嘲るように嗤う。どうやら俺がダメージで朦朧としていると勘違いしているようだ。
再度ファイアーボールを放つ、大魔猿は嬉しそうに
しかし今度は先ほどのファイアーボールとは違う。通常であれば真っ直ぐにしか飛ばないファイアーボールだが、今度は回転を変えて、野球で言えばカーブのように曲がりながら大魔猿に向かっていく。
「ギャッ!?」
反応の遅れた大魔猿にファイアーボールが数発当たるが、大きなダメージは与えることができなかったようだ。怒り狂った大魔猿がこちらに向かってくるので、今度は黒魔法第1位階『ウインドブレード』を放つ。大魔猿は魔力を見ることができないようで、不可視の風の刃をモロに喰らう。
自分がなにに切り裂かれたのか理解できずに怒りから一転、動揺し動きが止まったので、数十のウインドブレードを叩き込む。その内の1つが大魔猿の両目を切り裂く。
一気に接近し、剣技LV3『疾風迅雷』で頭部から下腹部にかけて真っ二つにすると、大魔猿は呆気なく死んだ。
大魔猿を倒すと宝箱と2対の台座が現れる。それぞれの台座には青と赤の水晶が乗っており、青が地上への帰還、赤が次の階層へ進むことができる。
魔物から魔玉と素材を剥ぎ取っていく。大魔猿と名前付きの魔猿からは、それぞれランク3、4の完全な魔玉を手に入れることができた。
剥ぎ取った皮・牙・爪・しっぽは売れるのかはわからないが、魔力が特に高い部位だったのでたぶん大丈夫だろう。
冒険者たちの死体は損傷が激しく、装備もほとんどが破損していたが回収していく。
アイテムポーチ(6級): 2個
鋼鉄のダガー(6級) : 1個
力の指輪(6級) : 1個
皮のブーツ(6級) : 1個
ポーション(6級) :21個
マナポーション(6級): 5個
解毒剤(6級) : 7個
金貨 : 7枚
銀貨 :34枚
半銀貨 :23枚
銅貨 :31枚
(死んだあんたたちの代わりに有効活用するから勘弁な)
冒険者たちの遺体は、一箇所に纏めてファイアーボールで火葬した。
ボスを倒したあとには、宝箱が出現するのは確定なのか? 数をこなすしかないな。宝箱には鍵もかかっておらず、中には指輪が1個だけ入っていた。
生命の指輪(5級):HP50増幅
(これがハズレなのか当たりなのかがわからないな……。レナにでも装備させるか)
青い水晶に触れ、地上に戻れと念じると先ほどと同じように一瞬クラっとして気づけば入口に戻っていた。
「よう、ボスはどうだった?」
入口にはジョゼフのおっさんが、待ちかねたとばかりに話しかけてくる。
「1人なら楽勝かな」
「ふむ、1人ならか……。それにしては血塗れじゃないか」
「魔物の血と先に入って全滅した冒険者たちを片付けてたからな」
「確かに傷はないな」
傷はヒールで回復しているが、わざわざ手の内を教える必要もないので黙っていた。ジョゼフのおっさんは宿屋までついて来たので、非常に鬱陶しかった。
今日だけで大分スキルを奪うことができた上に、レベルも2上がっていた。
名前 :ユウ・サトウ
種族 :人間
ジョブ:魔法戦士・付与士
LV :22
HP :513
MP :674
力 :210
敏捷 :176
体力 :232
知力 :200
魔力 :223
運 :1
パッシブスキル
剣術LV6
腕力強化LV6
索敵LV5
短剣術LV3
身体能力向上LV4
敏捷強化LV2
統率LV2
棍術LV2
体術LV2
夜目LV3
火耐性LV3
MP回復速度上昇LV3
槍術LV2
闇耐性LV2
罠発見LV2
忍び足LV2
毒耐性LV1
剥ぎ取りLV1
アクティブスキル
剣技LV4
闘技LV4
白魔法LV5
黒魔法LV4
鍛冶屋LV2
錬金術LV4
盗むLV2
隠密LV2
鑑定LV1
短剣技LV3
棍技LV1
魔法剣LV2
格闘技LV2
付与魔法LV1
咆哮LV3
魔拳LV2
精霊魔法LV3
槍技LV2
開錠LV2
罠解除LV2
死霊魔法LV1
固有スキル
異界の魔眼LV3
強奪LV2
眷属従属LV1
部屋に戻るとニーナがまだ起きていたが、寝惚け眼でおかえり~と言うと、そのままベッドへ倒れ込むように寝た。俺も風呂に入り血を洗い流し寝る。
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