大日本神國

@kenta4510471

大日本神國

大日本神國

2025年日本の軍国化が進み、日本は日本神國と国名が変わる、軍事力が強まるにつれ経済は豊かになり、それまで他国に依存していたが独立、他国からは賞賛の声が上がっていた。今まさに、日本神國は今世界のトップに上り詰めようとしていた。

しかし、不穏な影はゆっくりと近づきつつある。


群馬、赤城基地

兵舎の中の一台のテレビに映し出される1人の白い軍服の女性が演台の前で声を上げる。

「我々日本神國に必要なものはなにか!他国に出資か!他国の問題を金で解決するのか!

自国を防衛か!共和国が有事の際に守ってくれるのか?否!日本神國は自立し、備え、気高く、誇り高くなければならない!

神の國だと言うことを忘れてはならない!」

そう言う女性は日本神國神天皇鷺ノ宮一香

日本神國代表となり軍国化を進めてきた、神國初の女性代表である。

テレビを前に兵舎の兵士たちは後ろで腕を組み演説を聞いている。

演説が終わると、それぞれの寝台に戻り、自由な時間を過ごしている。

兵舎の中には50人ほどが詰められて、この兵舎は男だけでまとめられている。

そのほかにも兵舎はあるが男女共に分けられている。

位の高い兵士は1番快適な場所、涼しく、暖かい場所が兵舎の中で提供される。

その快適な寝具に座る1人の兵士が、向かいの寝具の兵士に声をかける

「日本もだいぶ変わったな〜」

「そうですね、でもあの平和ボケした日々より私は今の方が充実してますよ」

「まぁ確かに、でも最初は反対派も多かったよな?」

「あー日本解放戦線とかですよね?」

日本を軍国化する際にもちろん反対派が多数だったが鷺ノ宮一香率いる親衛隊により政治家、解放戦線共々殲滅されていた。

「しかしそのおかげで日本神國はだいぶ豊かになりましたよ」

「まぁな」

兵舎のドアが開かれ軍服姿の兵士が兵舎の中に響く程の声を上げる

「赤城第一大隊隊長草壁大尉はいらっしゃいますか?」

「呼ばれてますね、どうしたんですかね?」

「わからんな、ちょっと行ってくる。後は頼む、中尉」

「はっ」

中尉と呼ばれた男は勢いよく立ち敬礼した。

快適な寝具から立ち上がる、草壁大尉と呼ばれた男性が軍服を羽織り、呼ばれた兵士の元へ向かう。

「どうした?」

と兵士に言うと基地司令がお呼びです。そう一言言うと先頭に立ち基地司令がいる部屋に案内させられる、司令の部屋に着くと案内の兵士は

草壁大尉の方を向き敬礼を行い、ドアの横に立つ、草壁大尉も敬礼を行いドアの扉を叩く、

「赤城第一大隊隊長草壁大尉参りました」

扉に向かって言うと扉越しに入れと一言扉越しから帰ってくる。

扉を開け、気をつけを行い司令に向かい、敬礼を行った。

「直れ」と、声の高い言葉が返ってくる

司令の顔をみる、髪は黒髪、ロングヘアーで軍隊には似合わない凛々しい顔立ち、

彼女の名前は東条瑠璃香司令、

「呼び出してすまない、実は命令書が先程届いてな。」

「命令書でありますか?」

「明後日付で第一、第二、第三、大隊は香港派遣軍に合流してもらいたい。

「香港ですか?しかも第三までってことは赤城基地の主戦力ほとんどじゃないですか」

赤城基地は第五大隊まである

大隊の規模は50人ほど、第三までとなると赤城基地には100人しか兵士がいないことになる

「命令は命令だ。本日2000までに各大隊の隊長に通達しろ、復唱!」

そう東条は言うと草壁大尉は直立になり復唱した

「2,000時に各大隊に命令書の内容を通達、明後日付で香港派遣軍に編隊!」

その勢いで東条が再び声を上げる」

「そして大尉、現時刻をもって貴様は第三大隊まで纏めろ、軍団長に任命し、少佐に任命する。」

「いきなり二階級特進ですか?」

草壁は驚いた、基本的に兵士が戦死または生死不明の時に二階級特進するのもので生存している兵士で二階級特進は異例だ。

「これは神天皇の御命令だ。赤城の鬼が報われたな。」

最後の言葉が草壁の心に刺さった。

司令の部屋を後にし、案内の兵士に礼をしたら、少し嬉しそうにしていた。

空を見上げると大型の輸送機が3台、基地の滑走路に着陸しようとしていた。

草壁は基地の一角にある喫煙所に向かう、他の下士官達が居る、草壁の姿を見て慌てて煙草を消す仕草をするが草壁は軽く手を上げ、それを見た下士官達は会釈をし、煙草を吹かす、その中に1人壁にもたれかかり、腕を組む女性がいた。

「お疲れ、草壁」

「ラヴィか、第二の方はどうだ?」

「あなたのところほどではないけどみんな、頑張ってるわ」

煙草を吹かしながら、そう言う彼女は浅井⚫︎F⚫︎ラヴィリア大尉日本とフランスのハーフの女性、第二大隊の隊長

「あなたのところそういえば新兵が来るんだって?」涼しげな顔から、口元を緩めた。

「新兵が?いや聞いてないが」

ラヴィリアの顔が緩み煙草を消し、草壁の横を煙を吐きながら通り、振り向く、「お荷物じゃないといいね」後ろの青空を背景に明るい笑顔が溢れる。

草壁が喫煙所を後にすると、司令室から1人の男が出きてはこちらに駆け寄ってくる。

「草壁少佐ですよね?」息切れをしながら名前を呼ぶ、年齢は20代くらいの青年だがかなりの修羅場を潜った目をしていると一瞬草壁は感じたが、「本日から赤城第一大隊に所属します。榊原伍長です。お噂はお聞きしております!」

「第一大隊の隊長の草壁だ。よろしく頼む、新兵期待しているぞ、兵舎に案内しようついてこい。」

「はい!よろしくお願いします!」

榊原と呼ばれた新兵は草壁の後をついて兵舎に向かう、

(あの眼、この新兵はいや、気のせいか)

草壁は気のせいかと新兵を兵舎に案内した。

案内が終わると、新兵は自分の寝台に座り荷解きを行う、向かいの寝台の兵士が新兵に興味を抱いて榊原の横に座る、

「よぉ新兵!荷解き手伝ってやるよ」

「すいませんありがとうございます」

そう言うが、手伝うとは裏腹に荷物を全て窓から投げる、それを見た近くの兵士達が面白おかしく笑っていた。

「ほら。これで荷解き完了!」

榊原は黙って寝台から立ち、外に出ようとするが荷物を投げ捨てた兵士が行手を塞いだ。

「どこ行く新兵?」

「荷物を取りに行くんです。」

「勝手な真似は許さねーぞ?」

兵士が榊原の胸ぐらを掴む、

榊原は何に腹を立っているかわからなく混乱していたが至って冷静でもあった。

他の兵士が新兵に言う、

「そいつ格闘術で第一大隊で二位なんだぜ?

もちろん一位は草壁大尉だけどな」

そう言うと兵士はさらに図に乗り榊原の腹を殴る、しかし榊原は顔色を変えずに、兵士に向かい頭突きを入れる、驚いた兵士は体制を崩しよろめく、その隙に榊原は兵士の鼻の筋に蹴りを入れる、兵舎のドアが開き草壁の側近の西中尉が帰ってくる。

人だかりができていることに、驚いたが人を掻き分け人だかりの原因を探る

「貴様ら!何をしている!?」

喧嘩を売ってきた兵士は誰の顔かもわからないぐらいに腫れている。

一方榊原のほうはほとんど無傷

西中尉は驚いていた、

やられた方は菅原兵士長、西中尉をも圧倒する格闘センスの持ち主で一目置かれる兵士を最も簡単にここまでする新兵がいることに

「貴様今日着任した新兵だな」

「はい、申し訳ありません。」

ちょっとこいと西中尉に連れていかれる新兵

連れていかれた先は大隊隊長が居る執務室でった

「草壁大隊長殿、失礼します、西です、よろしいですか?」

かなり声が震えていた、それは恐怖ではなく、興奮に近かった。

「入れ」

草壁は20時の招集について隊の人員を確認していた。

「ん?新兵も、一緒か」

目線をこちらに向けて少し驚いたが、

すぐに目線を戻した。

「ええ、先ほど、菅原曹長と新兵が小競り合いをおこしまして、」

「新兵がやられたか?」

草壁が答えるが、目線を向けた時に怪我はしていないことに気づく

「にしては傷がないな、まさか」

草壁は驚きを隠せなかった。

菅原曹長は草壁と互角に渡り合うほどの格闘センスを持つ、草壁は菅原を今度の香港派遣の際、軍曹に昇格されるつもりだった。

「新兵、榊原と言ったな?」

「はい」

「貴様の訓練成績を見たが特筆するようなことも秀でたところもない、貴様は一体……」

「自分は危険への察知能力が人一倍鋭いのです、なのでここが危険だと思えば拳も避けれます。危険だと思うものに対しては徹底的に排除するよう訓練されました。」

と榊原が言うと西がどこの訓練所だと言う。

榊原が一言発言をする

「鷺ノ宮家訓練所です。」

草壁、西は呆然とした。

鷺ノ宮家訓練所は親衛隊を育成するエリート訓練所でそこを卒業した者は鷺ノ宮の親衛隊になるはずだが、自由に配属を決めてもいいと言う鷺ノ宮の配慮もあると言う。

しかしその大半は親衛隊希望である、訓練所は人体実験も起こっており、卒業した者は皆、強化人間になり、特質した能力を持ち合わせると言う。

「強化人間が俺の部隊に来るとはな、お荷物もいいところだ」

草壁が言う、榊原は特に平然としているがはっきりと言った

「しかし自分には実戦の経験は皆無です。」

西が言う「ここにいる誰もが他国との実戦は経験してない。」

そう、日本はまだ実戦を経験した者はいない。反対派の反乱は殆どが殲滅戦、いわば一方的に戦っているだけだ。

草壁は時計を見る、7時40分そろそろ隊が集まる頃だ。

話は終わりだと言う草壁、

西は処分はと言うと草壁はいらん、と一言

「隊に戻れ新兵」

榊原は隊に戻る


基地の中にある訓練施設に第一、二、三大隊が集まる、

そして草壁が演台に立つ、

「現時刻をもって我々は一つの大隊になる、

部隊名は日本神國第106軍団我々は2日後に香港の派遣軍に合流する!これは何を意味するか!近いうちに戦争が起こる!我々が初の実戦を経験することになるかもしれん!

だが、我々は神國軍人、我々には神が神天皇鷺ノ宮様がついておられる!準備を怠るな!以上!」

そして敬礼をすると、150人全員が敬礼をする

出発1日前、3台の輸送機に積み込まれる、人型の戦闘兵器が見える、それを榊原は眺めていた。「神機…」

神機と呼ばれた戦闘兵器、今では日本の主力兵器になっている、人型の戦闘兵器、機動性に特化しており、素早い動きができるがその反面、装甲が戦車より薄い、通常の弾なら弾くが、砲弾、ロケット、は容易く貫通する、

しかし機動性が高いので操縦技術があれば容易く避けられる。

現在ではほとんどの基地に配置されている。

今後は戦車に取って代わる。


出発当日、各兵士たちは神機に乗る準備のため、軍服からフライト用の戦闘服に着替える。

荷物を積み込み、弾をこめる、

各大隊の輸送機に乗るこむ、

そして神機のコックピットに入り点検を行う、

榊原もコックピットに入り、起動する、

起動すると同時にコックピットが閉じる、目の前には外の映像が映し出されて、

右下には心拍数、体温など様々な健康状態が映し出される、

榊原はコックピット脇に拳銃を置き、

座席の後ろの蓋を開け、長物の銃を取り出し弾を確認点検を行い、戻す、

そして画面に草壁が映し出される。

「全大隊に通達、日本神國参謀本部から通信がある。全員聞け」

それだけ言うと、参謀本部の幹部らしき人が映し出される、

「現在、香港では中華連合との睨み合いが続いているが、中華連合が訓練と称して香港に軍を進めているとの情報が入った。香港入りした途端に戦闘になる可能性もある、尚それに乗じて南北統一國が日本防海域を超えてくることも、予想される。留意せよ以上、」

今までにないほど、心臓が脈を打つ

体全体が震えている感覚に陥る、自分の手を見る小刻みに震えていた。恐怖、恐れあらゆる感情に押しつぶされそうになっていた。

コックピット内にピピっと電子音がなり、

画面を見ると通信が入っており三木総一郎と名前が出ている。

榊原は通信回線を開く

「分隊長の三木総一郎中尉だ、この異動に際して一時的に貴官の隊長になる。よろしく頼む」

「よろしくお願いします。中尉」

「この分隊では堅苦しい挨拶はいらない、普段通りで大丈夫だ。元々第三大隊だが今回は混成部隊のようだからな。」

三木中尉も少し緊張している印象を受けた。

「分隊のチャンネルを開くぞ、ちなみに俺たちの大隊長はラヴィ隊長だ。」

その言葉と同時に画面左に分隊員の顔が映し出される。

三木を含め5人の部隊、その中に女性が1人声を上げた

「第二大隊所属の波風榛名伍長です。5人って他の隊に比べて少ないですね。」

確かに他は10人で中隊規模に対してこちらは小隊規模

「まぁ自己紹介と行こうか。」

と三木中尉は言った

メガネをかけた、内気な女性隊員が

「摩耶です。椎名摩耶です。榛名さんと同じ隊です。」それだけを言って黙った。

最後の1人は「赤石達也伍長第一の所属だ。」

榊原は同じ大隊だが顔は見たことなかった。

三木中尉が「赤石って元日本解放戦線の?」

「はい、そうですが何か問題がありますか?」

「いや、赤猿の達也がいるとは心強い」

赤猿と言う言葉に波風椎名が興味を示して口を出す

「赤猿ってどう言う意味ですか?」

「ああ、殲滅戦の際にこいつは赤城でゲリラ戦をやって2台神機をやったんだよ、しかも1人で」

驚きを隠せなかった

「あのスピードでどうやって……」


「地雷を踏めばスピードは殺せる、跳躍の落下地点を予測してそこに高性能地雷を仕掛けた。」

淡々と赤石は答えた。皆は唖然としていた。

話の際中に甲高いサイレンが鳴る

輸送機の中にある赤灯がぐるぐるとまるで自分の感情の様に回る、

「地獄の合図だな」三木が言う

最悪の事態だった、この合図は中華連合が一線を超えた合図だと察した。

すぐさま草壁が全体に通信を行う。

「全隊戦闘準備!!中華共が一線を超えた!

現在派遣軍が戦闘中、これより我が隊は落下傘降下攻撃を行う、訓練を思いだせ!」

「大丈夫、ここにいるみんな初実戦だから、」

三木中尉が笑顔で言うが、榊原は笑顔を返す余裕などなく、それは他の3人も同じだった。

第二大隊隊長ラヴィリア大尉から通信が三木分隊に入ってきた。

「ラヴィリアだ。お前達分隊は先行突撃部隊として、敵のコマンドポストを叩いてもらう。目的地上空に着いたらすぐに降下し、戦闘に移行せよ。後に我が隊も続く以上、」

それだけ言い残し通信が終わる。

「だから少数なのか、的が少ない方が当たらないからな、くそ」

三木の顔に余裕がなくなった、が榊原達にラヴィリアが言ったことを復唱した。

「榊原、お前新兵だったな、運がないな。」

赤石が何の感情もなく言う

「戦場に出れば関係ないわ」

今には泣きそうな、波風が言う

榊原は椎名の方を見る、頭を抱え震えている。

絶望しかない、だがやるしかない

「榊原、お前確か鷺ノ宮訓練所だったな、強化人間の力見せてもらうぞ」

「そんなものに期待しないでください。強化される代償に精神面にデメリットがあるんです。」

先行攻撃隊前へとアナウンスがなり三木達は絶望感を抱いたまま輸送機後部に移動する

「腹を括れ、どうせ地上は戦車だけ、ブーストを噴射して一気にコマンドポストを叩く、

対空兵器だけ気をつければいい、いいな」

4人は、はいと言うしかないなかった。

輸送機ハッチが開き降下の態勢に移る、

ランプが赤から緑に変われば降下良しの合図、そして緑に変わり、三木中尉、椎名、波風、赤石、そして榊原の順で降下する

コックピット内が揺れる、そして対空兵器の砲弾が空中で炸裂する衝撃で機体が横に飛ばされ、別の砲弾に当たりそうになる、

他の隊員の様子を見る余裕がない、死、恐怖、それしか感じない、今は生き残るそれだけを考えろ、自分をそれで騙すしかなかった。

「開け!!」三木の声とともにパラシュートを開く、

地上にゆっくりと足をつけと同時にマップが開かれコマンドポストの位置を知らせる、そしてブーストを噴射し、加速、誰が生き残っているのか、わからない無我夢中で走り抜ける、目の前に敵の大型戦車が立ちはだかり、榊原に狙いをつけた。

榊原は横に跳躍し、そのままブースト、敵の背後に回り、神機の右手に装備された、大型ライフルで戦車を撃破する、

「敵大型戦車撃破!!」

声を上げたが、反応がないとにかく、目的地を目指した。

コマンドポストが近づくと、敵の勢いも弱まっていき、加速しながら周りを見渡すと、

神機は1.2.3.機しか見当たらなかった。

コマンドポストは敵戦車、武装装甲車、歩兵多数を確認し榊原が「四方を囲め!対戦車ロケットに注意!!」コックピット内に声が響くコマンドポストを4機で上下左右を囲むように攻撃を行い壊滅させ、撤退する敵を殲滅させる

「状況報告!」

その声は波風の声だった、その声と共に4機が各自の状況を報告する

「赤石被弾ゼロ、燃料40%」

「椎名左腕部損傷、機体に問題なし、燃料43%」

「榊原被弾ゼロ、燃料45%」

「波風右脚部に異常あり、尚走行に問題なし、燃料34%、分隊長は?」

もう一機は分隊長だった、どこにも姿はない、椎名があの、と泣きながら3人を呼ぶ

「着地地点が一緒だったんですけど、着地と同時に敵の砲弾が分隊長のコックピットに直撃して」椎名はその先を言えなく、顔を手で覆った。

「まずは大隊隊長に報告しないと」

波風が焦った様子で何を報告すればいいか1人でぶつぶつと何かを言っている

「ラヴィリア大隊隊長聞こえます?」

榊原が報告を冷静に状況を判断し、通信を試みる

「こちらラヴィリアだ。状況報告を」

淡々と話すラヴィリア

「敵コマンドポストは制圧、残敵はなし、分隊の燃料が残り少なく、損傷している機体が二機、尚分隊長の三木は戦死しました。」

ラヴィリアはそうか、と一言

「今から貴様を伍長から臨時軍曹に任命する、隊の指揮を取れ、我々が着くまで、そこを死守しろ」

それだけ言い残し通信が終わる

「大隊が来るまでここを守れと、俺が隊の指揮を取ることになった。」

「まぁお前が指揮を取るのが妥当だろう」

「今動けるのは、俺と赤石だけだ、燃料が少ないが、あの丘の上までいって偵察してみよう、敵の本隊が戻ってくる可能性もあるから、波風と椎名はこの基地で燃料を探して見てくれ、大隊がいつくるかわからないからな」

わかったわと波風は言うが椎名の精神状態が危ういと感じた榊原は

「椎名、フライトスーツに精神安定剤が入ってるはず、それを首筋に打て、」

椎名は震えるばかり、無理もない目の前で三木の死を目の当たりにしたのだから

榊原は椎名に神機をしゃがませろと言い、神機から降り、椎名の神機に向かう、コックピットまで行き、手動でコックピットを開ける、椎名はぶつぶつと何か震えながら言っている、自分のフライトスーツから安定剤を取り出し、椎名の首筋に注射する

「はぁはぁ、すみません、ありがとうございます」

「正気を失うにはまだ早いぞ、波風と燃料を探してくれ、頼むぞ」

そう言い残し、自分の神機に戻る、

「赤石、丘まで行くぞ」

「了解」

二機の神機は丘まで跳躍する、

丘から偵察を行う、

「敵影なし、」

赤石が言う、

「多分降下作戦は成功だな、今は残敵を殲滅してるだろ」

波風から通信が入る、

「榊原、これ見て日本国営放送」

画面にニュースが放送される

「お知らせします。本日5時頃、我が日本神國軍が親日国、香港を襲撃する中華連合を撃退、尚この襲撃に新たな兵器神機を日本が初投入をし、戦場を圧倒しました。この襲撃に置いて中華連合は声明を発表いたしました。」

「これは内政干渉だ、このまま戦闘を継続するのなら、我が連合は日本と戦争を行うことも辞さないこれは侵略行為だ」

「これに対し我が神天皇が声明を発表」

「中華連合は香港に軍を進め、香港を我が物にしようとした、これを見過ごすのか?否、香港は親日国、香港に今まで助けられてきたなら今恩を返す時だ!神國人よ、我が国は戦争状態に移行する!備えよ!誇り高く私と共に戦おう」

歓声が一気に上がる

ニュースが続く、

「まぁ予想通りの展開だな」

榊原はニュースを閉じる、

赤石が感情を露わにして言う

「だから嫌なんだよ今の日本は世界大戦の時の日本帝国と同じじゃないか!あの時の平和な日本を取り戻すために戦ったのに」

赤石は答えた

「しかし、日本解放戦線が仮に勝ったとしても、中華か、南北統一國に侵略されると思う。」

榊原は、冷静にそう言うが、さらに赤石は感情的になる

「だからそこはアメリカ共和国が守ってくれるって安全保守条約がある」

「ならなぜ今こない?なぜ香港に米軍基地があるのに機能してない?なぜ日本から軍が派遣された?」

赤石が黙る

「結局他国のために血を流す覚悟があるのは日本だけ、お前も日本人なら、覚悟を持て」

通信が入る、

「第3大隊隊長の織田だ、分隊長の三木はいるか?」

髭面の強面の男が映し出される

「三木中尉は戦死されました。隊を引き継いでいるのは私です、榊原です。」

そう言うと、悲しげにそうか、と一言織田が言う

「降下作戦は完了し、香港にいる中華どもは撤退していった、軍団長は現在参謀本部に中華本国への侵攻作戦を進言中だ、とにかく今は安全だ少し休め時期に第二がそこにくる」

「了解です」

榊原はそれを聞くと、肩を下ろし息を吐いた。



日本神國首都神東京都

皇居内、

国営放送の演説が終わり、白色の軍服の女性が壇上をゆっくりと降り、黒色の軍服の男性と共に歩く

「陛下、演説お疲れ様です、大変よく出来ておりました。」

黒色の軍服の男性がいう

「えぇ、それはありがとう。」

陛下と呼ばれた女性が答える、

「このまま戦略室で指揮をとられますか?」

「いいえ、休ませてもらうわ、あとはあなたに任せるわ出雲特務大尉。」

黒色の軍服の男性は出雲特務大尉と言う、神天皇陛下の専任護衛官である、

「部屋までお供いたします。」

頷く白色の軍服の女性、

部屋の前に着くと、

「後のことは適当に悪い方向には進ませないように、いいわね?」

「1つ質問してもよろしいですか?陛下」

白色の軍服女性が頷く

出雲は失礼を承知で言葉を発する

「なぜ戦争、なぜ軍国化を進めたのですか?」

白色の軍服女性が笑顔で答える

「なぜって、面白そうだから!毎日が何かさつまらなくて、でも今はゲームの主人公みたいじゃない私!私が國を支配してるなんて!」

狂気の笑顔が一番当てはまるだろう。

そういうのは神天皇、鷺ノ宮一香

恐怖した、出雲特務大尉は深々とお辞儀をし、鷺ノ宮一香を見送る、少し視線を上げると鷺ノ宮一香は部屋を開け中に上裸の男性が数名、その男性に抱きつく仕草をする鷺ノ宮一香、それを見送り、拳を握りしめて怒りを露わにしてする出雲特務大尉、部屋は鍵を閉められ数分も立たない内に鷺ノ宮一香と思われる甘い声が扉越しから聞こえた。

鷺ノ宮一香の部屋を護衛する護衛官は震えながら出雲に言う

「こんなこといつまで続ければいいんでしょうか?」

「わからない、今はこの事が外に漏れないようにして、我々と参謀本部で隠蔽するしかない」

こんなことは誰も知らない、皇居にいる護衛官、参謀の一部その他の職員しか事実を知らない、

そう、軍国化、戦争を進めたのは鷺ノ宮一香の気まぐれ、全ては気まぐれ、

出雲は落胆し静かにその場を後にした

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