第6話

「お兄ちゃん、大丈夫??」


「冬ちゃん?」


冬ちゃんが傷ついた俺を慰めるように、背中を優しく撫でてくれる。


「お兄ちゃん、聞いたよ・・・痴漢の事件にあったんだって」


冬ちゃん、冬ちゃんは信じてくれるのか俺が巻き込まれ方だと


「そうなんだよ!!俺は冤罪なんだ、なのに誰も信じてくれなくて」


冬ちゃんに情けなく、縋るように服を掴む


「お兄ちゃん聞いて欲しいんだけど」


「・・・?」


なんだろう、冬ちゃんがまた見たことないような笑みで笑って居る気がする。


「実は私、お兄ちゃんのこと別に大切に思ってないんだ」


「・・・っ」

どう言うことだ??


「私、お姉ちゃんのこと大好きで、お兄ちゃんは快適な暮らしをしているのに、お姉ちゃんを独占していて、憎かったんだよね。いつも嫉妬してたし」


そ、そんなことを思ってたなんて、


確かに妹が姉を独占されて、羨ましかったり、嫉妬するのは仕方ない。でも憎いなんて、


それにこの冬のニヤつくような顔は、


「だから、さぁ、私は今回の事件でこう思ったんだ。ざまぁって」


「・・・っ」


そして、冬は笑顔を向けて、


「お姉ちゃんも言ってたけど、これからは私達に関わらないでね。じゃあね。ゴミクズ」


俺の心は折れた。

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