第10話 自衛隊の話

先日、地元にある小平駐屯地の開放日というのがあった。本当は観桜会なのだが、残念ながら寒さが戻ったこの時期にはただの一つも開花は無い。でも散歩がてらどんなものか見てみようと出かけた。

人もまばらで唯一行列ができていた売店に並んでみたものの、3分で出てくるほど見るべきものは無かった。何か見世物があるというので行ってみると、深緑色のジープが1台、パトカー仕様のジープが1台、白いバイクが1台、それだけであった。何人かの幼児が喜んで運転席に座っていたが、それ以上の盛り上がりは無かった。パンフレットを並べている場所があったので見てみると自衛隊への勧誘であり、一般人の気を引くようなものはない。大変退屈な内容であり、残念であった。

小平駐屯地ってそもそも何なのかと思いインターネットで見てみると。学校と情報関係を扱っているらしい。道理で我が家の近くにあるものの存在感を感じないわけだ。駐屯地と検索すると全国の駐屯地が本当に簡単に紹介されている。全国に駐屯地というものがいくつあるか見てみて驚いた。数え間違いが無ければ全国に155カ所あるとのことだ。1道1都2府43県、計47で単純計算すると1都道府県当たり3カ所以上あることになる。役目は様々であるものの、大した数の駐屯地があることは確かだ。どこから派遣されるかは知らないが、国内で自然災害があるたびに大勢の自衛官が駆けつけているのも駐屯地が多いからそして自衛官がそれだけ多いからなのかなと思った。

私の職場には自衛官のOBが二人いる。OBではあるが自衛隊の定年が早いので、現役の私より一つ二つ年下である。それでは自衛官の定年はいくつなのか。調べてみると定年退職年齢は階級によっても違うそうだ。 2曹・3曹は54歳、曹長・1曹・准尉・1尉・2尉・3尉は55歳、2佐・3佐は56歳、1佐は57歳になっている。 将・将補の定年は他の企業と変わらない60歳だというが、我々には曹とか尉とか言っても全く分からない。さらに全部で17も階級があるとのことなのでますますわからない。でもまあ民間会社の当社でいえば、社員等級が12でその上に理事、執行役員、常務、専務、副社長、社長とあるので合わせたら18あり、自衛隊でいうところの社長が大臣とすれば同じなのかもしれない。そう考えると当社の社員等級の上に6階級もあるのに今更ながら気が付いて驚いてしまう。

さて、自衛隊と我々企業と異なるのは、再就職のあっせん部門があることである。普通官庁勤めには再就職あっせんということは無い。逆に一定期間民間企業に再就職することは禁止という方が多い。やはり定年が早くその後の生活のことも考えると再就職は必至なのだろう。体力的なことを考えて定年が早いのだろうと思うが、平均寿命はどんどん延びているのだから当たり前ともいえる。

話は戻るが、小平駐屯地の開放に訪れていた人の半数がかなり高齢の方だった。余計なお世話ではあるが、戦争体験者とも思える彼らは何を思って訪れているのかなと思った。

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