第3話

「よっ碧。昨日ぶりだな」


「ああ。昨日ぶりだ中村」


俺は今、休日なのでバイトに来ている。

ココのバイトは来たい日に来て、来たくない日には来なくていいらしい。

そんな神バイトがあるかっ!

ってな感じなのである。


「あー腹減ったなぁ。碧、お前弁当は?」


「忘れた。どうしようかなぁ…」


「それは作っておいて来たのか?作って無かったのか?」


「作って無かった」


「そうか」


中村がお結びをモグモグしながら聞いてくる。


ははっ、なんだろう。弟みてーだな。

可愛い。


「…可愛い?」


「どうひた碧」


「いや。何でもない」


何でだろう。

可愛いという言葉が出てきてしまった…


バカ!

相手は男だ!


でも…

実際どうなんだ?

男と男の恋愛って。

それより、俺が中村の事が好きなわけ…(あるかも)


何なんだこの気持ちは…

中村の顔を見るたびに胸の鼓動が…


「大丈夫か?顔赤いぞ?」


「あ、ああ、ああ、ああ。大丈夫です。心配いりません」


「何で敬語?」


お結びを食べ終わった中村が話しかけてきた。

ほっぺたにお米付けてんのズルいっしょ…


あぁ…落ち着かない…




~中村視点~


何こいつ頬赤くしてんだよ!


可愛くて照れるだろうが!


あーヤバい…


こいつといると精神状態がおかしくなりそう…


あのなんか可愛いって言ってたのは誰の事だッ!


もしかしてココの近くにいたあの女子?!


もしかして俺の恋はバットエンド?!

終わったのか?

もう駄目なのか?


あー無理無理。



「こいつに彼女出来たら俺死ぬわ」


「何か言ったか?」


「イヤ何も言っていない。本当に何も言っていない」


前みたいに聞かれてたら終わるからな。

言ってないだけで聞こえて他の俺知ってるからな!


それにしても、もうすぐ王者選手権技術対決だな。


1日目に一番不人気な情報科。

2日目に二番目に不人気な守備科。

3日目に2番目に人気な剣士科。

4日目に1番人気の魔法科。


今日は情報課の日だ。

1時間後に始まる。


「碧、中村、もう上がっていぞ」


「「はい」」


店長に呼びかけられて準備室に向かう。


「これから王者選手権の情報科だな。見に行くか?」


「見に行くとも。同じパーティーになるかもしれないんだから」


「碧と一緒のパーティーになれることを祈ってるよ」


「ああ。俺もだ中村」




~碧視点~


「皆様、今日は王者選手権の情報科でございます!」


「「「ウオーーー!!!」」」


「みんな盛り上がってるね」


「ああ。そんなこと言ってる中村だって応援タオルまで持ってきて」


「そうだな」


「パーティーの情報源となる情報科。生き残るのは誰だ?!ルールは簡単!クイズに早く答えられた方の勝ち!早押しクイズです!」


「なるほど」


「Aブロック、Bブロックに分かれてトーナメント形式で開催します!」


「Aブロックにはたしかほとんどの情報を知っている青山あおやま名鶴なつるがいるんだよな。Aブロックの人はみんな絶望してるぜ」


「まずはAブロックから!青山あおやま名鶴なつる選手対、園田そのだめぐみ!」


「これは一目同然だな。青山名鶴の勝利。だろ?碧」


「いや、ちょっと待ってくれ。『スキル』【調査】」


______________

青山あおやま 名鶴なつる


知識量1000


______________

園田そのだめぐみ


知識量1010

____________________________


「知識量では園田恵が勝ってる…」


「マジか…」


「青山名鶴も自分が天才だと言われてきっと油断しているはず…」


「これはわからなくなってきたぞ…」


「Aブロック第一戦目、王者選手権技術対決情報科を始める!」

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