三人でプレイ

 姉ちゃんには後日、オンラインゲームのことを教えることにした。……とはいえ、俺もそこまで詳しいわけではない。

 灯に来てもらう方が良さそうだ。

 そうだ!

 家へ遊びに来てもらおう。


 俺はメッセージアプリで連絡した。



 正時:姉ちゃんがオンラインゲームに興味を持った。明日、いろいろ教えて欲しい


 灯:いいよ~! 正時くんの家に行きたいと思っていたし


 正時:助かる。いつでも来てくれ


 灯:分かったよー



 楽しみだ。俺自身ももっとExcaliburエクスカリバー Onlineオンラインを極めたいと思っているし、知りたいことも多い。

 姉ちゃんも仲間になってくれるのなら、パーティを組んで遊ぶのもいいな。


 ――と、いろいろ考えていると爺ちゃんが部屋に入って来た。


「おい、正時」

「ん、どうした?」

「灯ちゃんが来てるぞ」


「え……? なんだって?」


「だから灯ちゃんが家に来ているんだ」

「なにいいいいいいい!?」



 まさかもう来たのかよ!

 急いで玄関に向かうと、そこには灯の姿が。


 本当にいた!



「こんばんは、正時くん」

「あ、灯……なぜ!」

「なぜって呼ばれたから」

「早すぎるって。でも嬉しいけどね」


「押しかけてごめんね。でも、いてもたっても居られなくて」



 そう言われると嬉しいというか許せちゃうな。

 俺もどちらかといえば、まだ物足りなかった。灯ともっと一緒に過ごしたいと思っていた。



「丁度良かった。まずは姉ちゃんに教えてあげてほしい」

「もちろん! 仲間が増えるのはいいことだからねっ」



 灯を上がらせ、リビングへ向かうと姉ちゃんがソファに転がっていた。目が合い、灯の存在に気づくと飛び上がっていた。



「――にゅわ!? あ、あれ……三沢さん!?」



 いつもクールな姉ちゃんが変な声を出していた。

 ですよね。


「突然すみません。来ちゃいました」

「明日じゃなかったの!?」

「ご迷惑なら直ぐに帰ります」

「いいのいいの! 三沢さんなら大歓迎だよ。オンラインゲームのこと教えて欲しいな」

「良かった! ノートパソコンを持ってきたので、一緒にやりましょ!」

「準備が良いな。ああ、そうしよう」



 姉ちゃんのことは灯に任せよう。

 俺は遠くから見守ることにした。


 テーブルの上にノートパソコンを置き、さっそくExcaliburエクスカリバー Onlineオンラインを起動する。


 あとは俺の時と同じように説明が続く。


 姉ちゃんは食い入るように画面を見つめていた。……ま、まさかこんなに興味を持つとはな。真剣すぎてビビった。



「――で、モンスターを倒して経験値を稼いでレベルアップします。体力HPが減ったら街へ戻って回復アイテムを買ったりしてください」


「ほ~。すごい世界観だな。中の人がいるなんて信じられん」


「みんなで遊べるのでパーティを組みましょう」

「うむ」



 俺も含め三人でプレイすることになった。

 姉ちゃんは完全な初心者なので心配だが、操作方法をリアルに教えてもらっているようだし、きっと大丈夫。

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