26時のシンデレラ 〜きゅん♪と癒しのオトメ箱〜

結音(Yuine)

王子さま。その1

「……待っていたよ。

 会いに来てくれて、うれしいよ。

 さぁ、ぼくを見て」


 あぁ、わたしの王子さま。

 わたしだけの 王子さま。


 あなたがいるから、わたしは……



「きみに出会えて、

 ぼくは、この国をもっと知りたいと思った。

 きみの住む、この国を。

 きみが育った、この国を。

 きみが好きだという この国を」


 ありがとう、王子さま。


 国がどうなろうとも 無関心。

 国に住む民の暮らしなど気にも留めなかった 王子さまが、少しだけ 町の人に関心を寄せてくれるようになった。

 

「ぼくは、この国を護ってみせるよ。

 ぼくも、この国を好きになりたい。

 きみが いる この国を」



 そんな未来の王様にわたしは……。




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