第31話バンユエの作戦

 「ねぇー、おにーさん達?私今1人で心細いの。どこか信頼人がいる安全なところに連れていってくれない?」


 自分から屈強そうで、いかにも裏の人間らしきものに声をかける。読みは当たったようで男達はゲスの様な顔を一瞬ちらつかせる。が、すぐに戻し、バンユエに笑いかける。表情管理が得意ではないようですぐに口の端、口角があげる。


 「お嬢ちゃんみたいなべっぴんがこんなところを1人で歩いていると危ないぜ。ここら辺は治安が悪い。声をかけたのが俺たちで良かったな、でないと今ごろどうなっていたことか…。」


 わざとらく肩をすくめる。


 「そーなんだ。私ってラッキー!そんな人たちに声をかけなくて良かったー。」


 「お嬢ちゃんはさっき心細いって言ってたよな?これから俺らが安全で安心できる所に連れてってやるよ。」


 「ホント?ありがとう!」


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 賑わっていた通りとは逆方向の路地へ入っていく。広くはないが狭くも無いといった具合の幅だ。時折踞るようにして貧相な体の人間らしきものが存在している。


 「ねぇー?おにーさん達、今どこに向かってるの?明らかに変な雰囲気の道なんだけど…。合ってるの?」


 「あぁ、もちろんだ。なんせもう着いたからな」


 先程からとは打って変わって開けた場所に出る。


 「着いたって、なんにもないけど?」


 「お嬢ちゃん。この辺りは治安が悪いって言ったよな?それは俺らがここを縄張りにしているからだ。さっきから転がってたゴミどもはお嬢ちゃんの成れの果てってわけだ。まぁ、悪いようにはしないさ。」


 男達がバンユエに近づく。

 

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