裏社会最強、実力を隠して学校に行く

紫野 葉雪

第1話

ある少年、絃賀崎 燈彗つるがさき ひすいはいつも通り書室で仕事をしている。すると、ドアが壊れるくらいの音を出し入室してくる者がいた。燈彗は驚きながらも、冷静に装いドアの方を向く。入室してきた者は生まれた頃からずっといる幼なじみの那賀宮 零夜 ながみや れいやだった。


「なんだ、零夜か。ちゃんとドアを閉めろ。

それと落ち着きなさい」


「あ、はーい」


零夜に開けっ放しのドアを閉めさせる。

燈彗はペンを置き、席を立ちソファーに座る。零夜に燈彗の座っているソファーの反対側に

座らせる。


「それで、どうした?零夜」


「コレ見てくれない?」


零夜は真剣な顔でポケットから何かを取り出しテーブルに置いた。燈彗は首を傾げながら、零夜の広げたものを見ると手紙だった。


(なるほど、零夜は何か考えがあってのことか。まぁ話しくらいは聞いてやるか)


「それで、その手紙はなに」


「これは師匠の友達さんから燈彗にだって」


「え、師匠の友達? あの人か?」


「多分そうじゃない?」


燈彗は急いで手紙の封を切り、中身を見た。

その内容は、端的に言うと琴扇香中学校きんせんかちゅうがっこうに来ないか。と言う内容だった。他はその理由がつらつらと書き連ねていた。


「どうだった?燈彗」


「.....学校に来ないかって内容だな」


これには、零夜も驚いていた。だが、零夜は

行く気である。燈彗は嫌そうにしている。

それはそうだろう、急にそんなこと言われても面倒なことになるのは知っているのだ。


「ねぇ、燈彗。行ってみない?」


「え、マジで言ってる?」


「だって、あの師匠の友人だよ?それに僕らに

都合がいいようにしてくれるらしいし行って

悪いことなくない?会うだけはしてみようよ」


「確かに師匠の友人らしいけど。...亜挫魅を背負ってる俺が軽率に行動する訳にはいかない」


燈彗はそう言い起き上がり、仕事の椅子に

座り仕事を再開する。零夜はそれに着いて来て燈彗を説得をする。説得とは言ってもお願い

コールだが。燈彗と零夜は押し問答を繰り返していた。すると、またノックする音が聞こ

えた。それを聞いて零夜も燈彗のお願いコールをやめ、ツートップ2の威厳を保たせようとする。燈彗が入室を許可すると、ある人物が入室してきた。


「あら、ちょうどその話しをしていらしたのね」


「もしかして、あなたが手紙の方ですか」


「はい、琴扇香中学校の校長桃坂 沙紀ももさか さきと申します。お会いできて嬉しいです。亜挫魅のボス燈彗さん、亜挫魅の副ボス零夜さん」


桃坂はそう言いニコッと微笑んだ。燈彗はまさか直接来るとは思わなく驚きながらも冷静に

おもてなしを構成員にさせる。燈彗と零夜で仕事椅子側のソファーを。桃坂は2人の反対側のソファーに座る。ドアのところには、構成員が2人いる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る