88. 2024年の注目作(15)【プログレ】NEAL MORSE/KENSO/THE SNOZZBERRIES

 良作ラッシュで紹介が追い付きません。またしてもプログレ新譜特集です。



◆NEAL MORSE & THE RESONANCE『No Hill For A Climber』(2024)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/5g1D7Fn2zO4ai8o5Ip7ejW?si=_BjvqiAnQ9e9QUDw23WRRg


 古巣に復帰したMike Portnoy(Dr./DREAM THEATER)を始め、いつメンは不在。若き英才たちを集めて望んだ新作は、20分と28分の大曲でサンドイッチした全5曲という大胆構成。プログレ職人Neal Morse(Vo./Key./Gt.)の面目躍如です。



☆「All The Rage」


https://www.youtube.com/watch?v=BSXjvdHqADk


 名刺代わりのリードトラックはNeal Morse印の刻まれたシンフォニックサウンドが展開。この曲を含め『Testimony』(2003)の頃と近い作風に感じる場面が所々にうかがえます。本作自体がある意味、原点回帰であるのかもしれません。




◆KENSO『An Old Warrior Shook The Sun』(2024)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/5bzsrCMGalCOZXey8CfHGe?si=IZ3HzKj4TeuOQ_vkWZ303Q


 ジャパニーズ・プログレ代表の一角、10年ぶり10th。ほぼインスト、フュージョン寄りの作風からはFOCUSやディシプリン期CRIMSON、末期OSANNAなどが想起されます。今作もその延長線上に展開された、期待を裏切らない洗練さです。



◇「私の人生には...」


https://www.youtube.com/watch?v=O-C0iy2Eddc


 軽快なノリでリスナーを引き込む冒頭曲。他にもヴァイオリンの存在感が光る「時にはラテン脳の俘囚に」、リズム遊びが楽しい「龍の舞」、印象主義的な歌曲「氷島」などがファースト・インプレッションでは耳に残ります。




◆THE SNOZZBERRIES『The Snozzberries』(2024)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/05ouftxtWq9eXF03deRXr7?si=eHf8xQesQCqQAcBBRangfw


 米国産2ndフル。インストとヴォーカル曲は半々。一見してWEATHER REPOERTやMAHAVISHNU ORCHESTRAのようなクロスオーバーに聴こえますが、よく観察するとサイケを出発点としたジャズロック軸であると理解できます。



◇「Hide (Testify)」


https://www.youtube.com/watch?v=SfHsNpAaZcs


 曲調には意外と幅があり、この曲のようなR&B~アシッドジャズからファンク、ラテンジャズまで、掴みどころのなさが逆に魅力です。時にはメタルにまで足を踏み入れたりと、USプログレの懐の深さを体現したバンドと言えます。

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