✜30 UR武器


 ちょうど1日後、ダンジョン島にある火山口から降って、溶岩湖の前までやってきた。


 まだこちらに気が付いていない。今のうちにこれから戦う相手のステータスを確認する。


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 名前       カリエテ

 年齢     10,301歳

 種族 エンシェントドラゴン

 生命力     99,999

 筋力       8,356 

 敏捷性        55 

 知性        275

 精神力     99,999

 器用さ        75

 スタミナ     9,817

 幸運          1

 経験値     99,999

 ルートモード(狂化状態)

 魔法:10(狂化状態のため使用不可)

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 続いて自分のステータスを見てみる。


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 名前        アラタ

 年齢         15

 種族         人間

 生命力         ∞

 創造ポイント 827,050

 筋力        255(限界値)

 敏捷性       255(限界値) 

 知性        999(限界値)

 精神力         ∞

 器用さ        99(限界値)

 スタミナ      255(限界値)

 幸運         99(限界値)

 拠点:417

 クリエイティブモード

 大型ナイフ

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 創造ポイントをPKしたのでしこたま持っているが、それぞれのステータスがカンストしてしまい、これ以上伸ばすことができない。


 ステータスウインドウの別のページへスライドさせると「器の昇華」とあるが、達成条件が特に書かれていないため、今はこれ以上はステータスへの割り振りができなかった。


 どうしようか? 不意打ちで仕掛けても、大型ナイフでダメージが通るかそもそも怪しい。かといって正面から殴り込むにはあまりにも無謀な相手。


 すこし工夫してみようか。


 ある程度の距離まで近づくと気づかれた。──やっぱり。でも予想通り。大きく息を吸う動作のあと、超高温の炎のブレスを吐かれて、一瞬でやられてしまった……。



 ──よかった。狂化状態だからなのか、人間とガーゴイルの区別がついていなくて。


 陽動のためのドラゴンの周囲を飛び回る5体のガーゴイルを焼き尽くそうと古龍は夢中になっている。その間にガーゴイル2体に両脇を抱えてもらい、こっそり溶岩湖の奥の方へ移動してUR武器「金剛杵ヴァジュラ」を手に入れた。


 古龍カリエテは、過去にボンテンというヴァ―ルギュントのひとりに左目を潰されているため、そちら側からまわり込んだら、うまくいった。もちろん陽動のガーゴイルが数体いなければ、自分を担いでいるガーゴイルの羽音に気付かれていたかもしれない。


 こちらに気が付いたエンシェントドラゴンは、火線を溶岩湖の奥にいる自分へと向けた。


 ここまでは計画通り。


 事前に作っていた増援のガーゴイル10体がタイミングよくやってきた。その手には魔法の爆薬が握られており、ドラゴンの頭部へ目がけて一斉に投じて大爆発を巻き起こした。


 これは過去に冒険者の街で入手した魔法の爆薬をクリエイティブで作って渡しておいたもの。ここから遠い海を隔てた大陸にある魔法王国エブラハイムという国で作られたもので、転生前の知識と照らし合わせると、火薬に似ている。なんでもその大陸ではこの魔法の爆薬でドォルトーという国家が一晩で消失したことから「ドォルトーの赤い光」という話がこの世界ではとても有名なんだとか。


 自分が行動に移して、ちょうど1分後にドラゴンの頭へ爆薬を浴びせるよう増援のガーゴイルに指示を出しておいたのが、うまくいった。


 ダメージは……少しだけ、99,999ポイントから11ポイント減っている。硬すぎでしょ? でもまあ、本来の目的はダメージを稼ぐことではなく目くらまし。


 爆炎がドラゴンの視界を妨げている間に岩壁から引き抜いた槍を調べる。


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 名前    金剛杵ヴァジュラ(槍ver)

 稀少度 アルティメットレア 

 攻撃力        18%

 耐久度        不壊

 解放率        18%     

 防御貫通      +53

 クリティカル     11%

 ※槍verの場合、投擲飛翔機能有         

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 URってウルトラレアじゃないんだ……。ってそこはどうでもいいや、問題は攻撃力が固定の値ではなくパーセント表示されているところ。これは使用者の特定のステータス……たぶん筋力に比例して変動するという意味だと考えられる。


 金剛杵ヴァジュラ(槍ver)の攻撃力は使用者……つまり自分の筋力の18%の威力が発揮されると仮定する。耐久度は不壊と書かれているぐらいなので、壊れないって意味だと思うのでこれ以上考えるのはパス。その次の解放率はちょっとわからない。この数値が上がれば武器の性能は上がるのはたしかだろうが、どうやって上げるのかはわからない。一般的に考えれば熟練度……何回も使っていれば徐々に上がっていくパターンが有力だと思う。


 防御貫通は53という数字の前に「+」が入っているため、攻撃力に追加される付加効果ではないかと考えられる。その下にあるクリティカル11%というのはクリティカルが発生する確率かクリティカルが出た場合の追加ダメージのどちらか……。


 あと丁寧に「槍ver」と書かれているぐらいなので、剣とか斧とかに変形できそうだけど、どうやったらできるのかよくわからない。わかった時点で考察したいと思う。


 そして最後に槍verの場合は投擲飛翔機能有とあるので、投げたら勝手に飛んでいく機能がついてますよ、という意味だと捉えた。


 UR武器のだいたい性能は確認できた。あとは実際に使って、その効果を確かめていけばいい。──と考え、ドラゴンの方へ注意を向けた瞬間。


「ゴォォォォォ」と鼓膜が破れそうになる轟音と視界が真っ赤に染まった。


 炎のブレスを浴びたのか……。生命力が無限大なので自分にダメージが入ることはない。だけどビックリした。


 見ると、空を舞っていたガーゴイルはすべて撃ち落とされたのか、姿がない。自分のまわりの地面は超高温のブレスを受けて、一度溶けてまた黒く固まろうとしている。


 気が付くと素っ裸になっていた。そりゃそうか。すべてを焼きつくすと言われているドラゴンのブレスに嘘偽りがない証拠。


 クリエイティブで、衣服と鎧を瞬間着装している間に古龍カリエテが2射目の準備をしている。


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 【警告】

 七色ブレス「不終」のエネルギーを検知しました。回避行動に移ってください。

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