水面に揺らむく灯篭と諒闇

白銀比(シルヴァ・レイシオン)

五月雨る一過時間

永き時の狭間に揺蕩う

私の心部は何処いずこかへ


眠るべくは未来の渇望

所詮、過去とは朽ち果て過ぎ去る時間と記憶


縋る価値なし、死ぬる数多な己たち


回廊は果てなくただ顎を下げ

果て無き先に光明無し


潜るこうべはからくり人形

浄瑠璃太鼓と蛇味線音頭

壊れた傀儡に生気無し


詭弁と誤魔化す我が心情

役も立たずのがらくた道中

進む先には糸も無し

地に還るいとま何処いずこへと


巫女が呼んでいる

あれよあれよとお祭り騒ぎ

我に続けと扇動鼓舞し

所詮は下らぬ我が生涯

逝ってみようぞ何処までも

奈落の深潭より、良きかな、良きかな……

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水面に揺らむく灯篭と諒闇 白銀比(シルヴァ・レイシオン) @silvaration

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