第7話神父とミトさん

「神父さん今日もよろしくお願いします。」イリスは教会に着いてすぐに神父を見つけ挨拶をする。


「おはよう、今日もイリスは元気があっていいね。ほらまだ時間には余裕があるからそこで待ってなさい。」


「はい、ありがとうございます。ミトさんから、今日の夕方までにこっちにくるからと伝言預かりました。」


「そうか、ミトさんが来てくれるんだね。ありがとう、確かに伝言は預かったよ」


そこからは、時間が来るまで静かな時が流れていたがイリスはじっと神父を観察して些細なうごきも覚えて自分のものにしようとしていた。


あの子は気づいているのだろうか?こちらを必死にみるのは興味本位でだと思っていたが、あの子の成長速度は早すぎる。私も気になって彼女を観察していてやっと気づけたことだが、彼女が真剣にこちらを見る時に目の色が変わっている時がある。普段は透き通るような蒼い目をしているのだが、その時だけは蒼と紅のオッドアイになっているのだ。何かしらのスキルで意識的なのか無意識なのかはわからないが、彼女はとても熱心で悪意を感じさせるようなことはないので様子を見ようと思う。それに、今日はミトが来るからそれとなく聞いてみよう。


教会に習いに来ていたみんなが帰り賑やかな雰囲気に包まれていたのが嘘のように静かになり、寂しさを感じていると、今日の大事な客がきた。


「神父様お久しぶりです。最近はこちらに足を運ぶ機会も減ってしまい申し訳ありません。」


「久しぶりだねミト、なに謝る必要などない。君のとこもついにランクがSになり、忙しい日々であろう?無理はしないようにな」


「ありがとうございます。多忙な日々を過ごしていますが、それは嬉しい悲鳴だと思い頑張ります。それに、団長達はもっと頑張ってるだろうから」


「そうだな、あの悪ガキがいつの間にか立派になったものだ・・・ごほっ失礼した。そちらにとっては団の長に当たるのに」


「いえ、私も団長の昔を知っていますからその気持ちはわかります。あの人がよくこんなギルドを作ることが出来たなと今でも不思議でなりません。だからですかね、イリスちゃんと出会ったのも。不思議者同士なにか繋がりがあったのかも」


「イリスか、あの子は真面目で大変出来た子供だと思うが」


「そうですね。よく出来た子だとおもいます。よく出来たからこそなんです、イリスはよく出来すぎてしまう。神父さんにもなにか思い当たるとこがあるのでは?」


やはりその件で来たのか、なるほどの〜


「気づいておるか?あの子が時折目の色が変わることに」


「目ですか?よく人の作業を集中して見ていることはありますが?」


「その目の色ではないわ、全くその様子では気づいてないようだな。あの子は集中して相手の作業を見ている時に時折意識的か無意識かは解らぬが目の色が蒼と紅のオッドアイになっている時がある。もし、機会があればよく見ておくがいい。」


「だがまーあの子を見る限り悪意など微塵も感じさせんからな。恐らく色々な、技術などを必死に自分の力にしているのだろう。スキルがあるにしても無いにしても真面目な子だとワシは見ておる。なのでそちらでも気にしておいてやってくれ。力のあるものは否応なしにトラブルに巻き込まれやすいからな」


「はい、神父さんありがとうございます。私の方でも今後は更に注意しておこうとおもいます。でもそう考えるとレン君の時のあれは、そうだったのかな?」


「ほーすでに何かやらかしているのか?」


「いえ、やらかしたわけではないのかな?どうかな?以前レン君の調合を手伝いをしなければならないことがあってそれをイリスちゃんからやるってなって少し揉めたんですが結果的にまるでレン君が二人いるような動きで手伝いをやり切ったんです。メルのほうが邪魔になっちゃうくらい」


「それはまた凄いな、なるほどレン君が二人いるようなか。ありがとうまたなにかあれば教えて欲しい。あんないい子に不幸は二度と来ないように大人のワシたちが見守ってやらねば」


「はい、イリスちゃんはもう私達の家族ですから」

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