三元世界の異世界支配者戦線〜勝つのはスキルか、魔術か、超能力か〜

れると

プロローグ

向かい合う3人の男がいた。

髪色、背丈、顔、容姿全てが全く同じだった。

名前も、旭と、アサヒと、あさひ。

同じだった。


違いは服装と、性格と、"能力"くらいだろうか。


1人は学園の制服姿でボタンは止めておらず、腰からはベルトの余剰分が少しはみ出している。

名を旭と言う。


1人は足まで伸びる真っ黒なローブにフードを深くかぶる。

アサヒという名を持つ。


1人は革のブーツにベルト、大きめのマントを身にまとう。

背中に携えるロングソードの柄が肩から見える。

名はあさひ。


「ッッたく……なんで同じツラした奴2人も殺さなきゃならない」


ローブの男は大層気だるそうな口調で口を開く。


「別に頼んでねぇけどな……」


「だな……」


2人は呆れた物言いの男に呆れ返すような返答で答える。


「なんだ?二対一か?」


「いや……そうもいかないだろ」


「だな……」


「俺は、勇者を殺すと決めた」


「奇遇だなァ。俺も超能力者は殺す」


「僕もだ。魔術師は殺すよ」


「「「別に残った一つも許す気は無いけど」」」



血戦復讎テールムブラッド


「凄惨なる報いは愚者への手向け━━━」


「スキルインテグレーション━━━」


旭の背後、空中に現れるはM249M4A1SVDMP5AK-47AS VAL

全て恐ろしいほど銃口が揃って旭の見る方向に向いている。

手に握る拳銃を片手で構え、前に向ける。


対するアサヒの真後ろには魔法陣が30は空中に展開されている。

手に握る宝石が埋め込まれた杖を片手で構え、前に向ける。


そしてあさひは剣を地面に突き刺すと、青白く光るルーン文字のような字があさひを中心に輪を作り2つ、3つと上に増える。

そしてゲームのようなウィンドウがあさひの周りに展開される。

▼スキル解放

〖勇者の号令〗

▼スキル解放

〖コールリデンプション〗


それを確認すると片手で握っていたロングソードの切っ先を、前に向ける。


銃口と杖と剣はそれぞれ向き合った3人の中心で交わる。



「前世にはこんな謳い文句があったよなァ。剣と魔法の世界だっけか?これじゃ剣と魔法と銃の世界だな。超能力者」


「俺が浮いてるって言いたいのか」


「浮いてるもくそも無いと思うぞ……だって見ろよ……僕らの顔、全く同じじゃぁないか」


「……」


「見た目の話をするならお前も浮いてるな。なァ勇者様?」


「は……?」


「まぁ……確かに。勇者だっけ?何だそのRPG見たいな服装……モンスター無双して俺つえーーハーレムサイコおぉぉってしてそうな……」


「それは……」


「僕の失った者を知っての挑発か?」


「別に。ただの冗談だよ。それに……」


「失ったのはお前だけじゃない。俺達は全員何か失ったからここにいる……厄災にすがる醜い奴らだ」


「そこで止めとけ。別に貴様たちの不幸自慢など聞きに来たわけじゃない。興味もない」


「さっきから黙っていたが……浮いてるだのとそういう話をするならお前こそ浮いているじゃないか。魔術師。何だその喋り方と性格。傲慢そのものじゃないか」


「当たり前だろう。この俺と同じなりで小賢しく生きる奴がいる。不愉快だ」


「それはこの場の全員が思ってんだよ。同じ顔した俺が異世界でステータスオープンッとか叫んだり、この俺が魔力で負けるとでも思ったか?ってイキってたり……見る側キツイだろ……。主人公は1人でいいって……」


「あぁーあー……そっちは現代だからって棚に上げ始めたよ……。同じ僕なのに」


「どうでもいい。まぁ。1人でいいと言うのは同感だ。問おう。貴様らの手にしているものはなんだ?。手にした能力はなんだ?何もない奴はいるまい。なら死ぬ気で血を流せ。決めればいいだろうその主人公とやらを」


「結局武力行使か……仕方ない」




「「「お前ら死んでも恨むなよ」」」


これは三人に待ち受けるそう遠くない未来だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る