ローマ帽子の謎

鷹山トシキ

第1話

 連日大入り満員を続けていたニューヨークのローマ劇場で、上演中に一人の観客が「人殺しだ……殺された」とうめき声を残して死亡した。ただちに劇場の出入り口は封鎖され、ニューヨーク市警のリチャード・クイーン警視と、警視の息子で推理作家のエラリー・クイーンが捜査を開始する。


 やがて、被害者モンティ・フィールドが強請りをやっていた悪徳弁護士であること、殺害に使われた毒物がガソリンから容易に生成可能なテトラエチル鉛であること、被害者が持っていた飲み物からは毒物が検出されなかったこと、さらに被害者が殺される直前まで持っていたシルクハットが紛失しており、劇場内のどこにもないことが判明する。


 エラリーは、犯人は被害者から強請られていた人物の一人であり、犯人を強請るための書類がシルクハットの中に隠されていたため、帽子ごと持ち去らざるを得なかったと推理する。そしてついに、エラリーは犯人を突き止めるが、物的証拠や目撃証言が全くないため逮捕に踏み切れない。


 万策尽きたかに思われたが、犯人をもう1回強請れば、また同じ毒を持って殺しにくるのではと考えつく。その提案を聞いたクイーン警視が犯人に罠を仕掛ける。

 

 

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