第64話 味方

前書き:

あとがきにてお願いがありますので、よろしくです!!!!

――――――――――――――――



「いいか、ジェニ。言葉には気をつけて……特に魔法を使って喧嘩とか絶対にダメだぞ?」

「ん、分かった」

「みんなお前のことを全然知らないのに仲間にしてくれるんだから、お前もみんなのことをよく知るようにしろよ?」

「ん、分かった」


 お菓子の箱を持って、靴を履いて飛び出すジェニ。


「ジェニ、ちゃんとご挨拶と自己紹介、あと「ありがとう」とかはちゃんと言わなきゃだめですよ?」

「ん、分かった。クロお姉ちゃん心配いらない」


 本当は色々と心配だし、エルセとしても悩ましいところ。

 特にジェニぐらいの年齢の子供なら、忖度なく思ったことをそのまま言う。

 それが、相手にとって許されることなのか、人間と魔族の文化や考えの違いなど、そういったギャップで問題を起こしたりしないか。

 今は自分たちを英雄として称えてくれる民衆の声も、いつまでも続くとは限らない。

 しかし、だからといっていつまでも屋敷の中に引きこもっているべきとも限らない。

 せっかく、向こうから心を開いてくれており、ジェニも「そういう気持ち」があるというのであれば、ここは様子を見た方がいいかもしれない。

 そう思い、エルセとクローナは送り出した。


「だいじょーぶ! いってきます! とう!」

 

 だが、その心配をよく分かっている様子もなく、城壁の上から飛び降りて出発するジェニを見て、何だかやはりエルセも心配になってきた。


「……大丈夫かなァ……いじめられたりしねーかなァ?」

「ええ……別にもう襲われるとかそういう心配はないですし、仮にそうなったとしてもジェニは強いですから……でも……」

「くそ、俺が動けたらコッソリ後をつけるんだが……」

「エルセ、私が見に行きましょうか?」


 これでよかったのか? と気が気ではなく、エルセも本当なら影から見守りたいと思っていたが、それができない。


「あははは、姫様がコッソリ追いかけたら、それはそれで目立っちゃいますよ~。それに、身内贔屓を抜きにしても、僕の娘のリロは相手が人間だからって、絶対にイジメとか嫌がらせしたりなんてしないです」

「自分の息子もです。それに、聞いた話によると妹君はあのシュウサイを倒したとか……何も心配はないかと……もし、息子がそのようなイジメや嫌がらせを行うようであれば、むしろ折檻してほしいぐらいだ」


 シンユーとマイトは「自分の子に心配いらない」と自信を持っているが、それでも子供たち同士ということとで何があるか、どんな発言が飛び出すかの不安は尽きない。

 すると……


「親分、拙者にお任せを!」

「……プシィ……」

「ジェニ殿のことは拙者が影から見守るでござる! 何か危険な目に合いそうになっても、拙者がフォローするでござる! お任せを!」


 と、プシィが自信満々に胸を叩いてそう進言してきた。

 たしかに、プシィはジェニのことも大切に思って可愛がりたがってるし、ちゃんと見守ってくれるし、腕も立つので信頼もできる。

 

「……頼めるか? プシィ」

「はっ、親分の頼みとあらば、子分として―――」


 エルセに頼まれることがプシィは嬉しいようで、尻尾と耳をピコピコさせながら目を輝かせて敬礼する。

 だが……


「クローナ様、婿殿」

「あら、ザンディレ」

「妹君がお出かけされたようです。昨日のことでもう心配はないかもしれませんが、一応私が後をつけて様子を見守ろうと思います」


 部屋に入ってきたザンディレが、当然のように外套を纏って、そう申し出た。


「はうわ?! ザ、ザンディレ殿、なにを! それは拙者の――――」

「では」

「ぬわあああああ、ずるい、ズルいでござる! 拙者は親分の勅命を……ええい、待つでござるーっ! 抜け駆けは許さぬでござる!」


 プシィが顔を真っ赤にしてザンディレに物申すが、ザンディレは一切聞き入れず、そのまま翼を羽ばたかせて部屋の窓から飛び出してジェニを追いかける。

 そのザンディレに後れを取ってはダメだと、プシィもダッシュでその後を追いかけて、城壁からそのまま飛び降りて行ってしまった。


「……行っちまった……」

「うふふふ、でも、影からの見守りとしては心強すぎますけどね」

「ずいぶんと賑やかですね~、っていうか、いつのまに虎人武士の子分を?」

「なかなかの実力者。それに、あのザンディレも、さらりと昨日は八勇将を一人討ち取っている……何故、魔王軍に入らないのか不思議な」


 後に残されて、場が落ち着いてしまった。


「さて、そろそろ僕たちもお邪魔させていただきます。エルセ殿には、怪我が治られましたら改めて、お酒でもそのうち……」

「あっ、俺まだ酒はダメなんでオレンジジュースで」

「おやおや、ではそのようにいたします」

「……ん~……」


 互いに苦笑し合いながら、そこでシンユーとマイトが立ち上がった。

 そのとき、エルセはどこかむず痒い感覚がして、耐えきれず……


「あの、シンユー……さん、それとマイトさん?」

「はい?」

「あの……俺、クローナとこうしてるけど、俺自身は別に貴族でも何でもないし……っていうか、俺自身がこれ以上は……ザンディレやプシィはなんつーか、言うこと聞かないけど……」

「?」

「その……敬語とか、そういうのやめてもらえないですか? 名前も呼び捨てでいいし……ほんと、なんか変な感じで……」


 あまり自分たちを敬うような敬語や敬称はやめてほしい。


「……姫様、いずれ彼は王族に……婿入り?」

「もちろんです! でも……ん~……エルセもこう言ってますし、いいのではないですか?」


 シンユーもこの申し出にどうしたものかとクローナを見るが、クローナも「任せる」と大して気にしない様子。

 ならばと、シンユーは笑顔になり……


「なら、エルセ殿……いや、エルセ。君も今日から僕のことはタメ口で構わないよ! それと、これからもよろしくね!」

「あ、なんか急にイイ感じ! ああ、こっちもよろしく!」


 シンユーはまるで学校の友達のような感覚で一気に距離を縮めた。


「ほーら、マイトも、ね? せっかくだし、ね?」

「……ま、まあ……本人がそう望むのであれば……」


 一方でシンユーのようにコミュニケーションが得意ではなさそうなマイトは、少し慣れなそうだ。

 だが、それでも立ち上がり……


「エルセ……何度も言うが、恩は忘れない。何か困ったことがあればいつでも尋ねに来るがいい。必ず力になろう」


 まだお堅いところがあるものの、受けた恩は必ず返すという強い思いが滲み出ていた。

 そして、自分は味方だと改めてエルセに宣言し、そのことがエルセの胸をどこか熱くさせ、嬉しかった。


「じゃ、そろそろ僕らも……ついでに、僕らもネオ魔王軍の様子を見ようかな~、ね、マイト。そういうわけで姫様~……二人っきりですけど、エルセのケガは見ていても相当なので、お楽しみはお控えですよ~」

「シンユー、貴様無礼だぞ!」

「んもー、私はエルセを真面目に看病しているのです~!」

「あは、はは……じゃ、ども、……いや……また」


 そう言って、心を熱くさせ、新たにエルセの味方となったシンユーとマイト。

 立ち去る二人を眺めながら、エルセは……


「なんか、いい奴だったな、二人とも。それに、二人ともかなり強いよな?」

「ええ! 次期、六煉獄将候補と呼ばれてますし、お姉さまの信頼も厚い二人です。あの二人が味方になってくれて、すっごく頼もしいですよ、エルセ」

「ああ……なんか……嬉しかった」

「はい」


 最初はどうなるかと思ったが、結果的にとても嬉しいことになった。

 色々これからも生活で問題はあるかもしれないが、頼もしい味方が増えたことに、エルセは素直に喜んだ。

 そして……


「……ところで、エルセ」

「ん?」


 そのとき、クローナがベッドに座り、エルセの真横にすり寄り……



「シンユーも言ってましたけど……二人っきりです」


「うぇ?」


「お楽しみは……その……は、激しいのは無理かもしれませんけど……うう……そのぉ……」


 

 顔を赤らめ、指を胸元でイジイジさせながらも、艶のある笑みを浮かべて寄ってくるクローナ。


「私も我慢してましたし……そ、それに、ザンディレからも……『女の奉仕』たるものを教えてもらいました……そ、その―――わ、私が全部、し、してあげますので~……えへ♥」


 エルセはゴクリと唾を飲み込む。


「と、というわけで、失礼しま~す」

「ちょ、クローナ!? ど、どこに? な、なにを!?」

「ジッとしててください……旦那様へのご奉仕です♥」

 

 クローナはスイッチが入ったようで、エルセの被っているシーツの中に侵入し、下半身の所でモゾモゾして――――――







――あとがき――


 

お世話になってます。


今朝見たら、週間ランキングで42位と……ぐぬぬぬぬぬ(꒪ཀ꒪*)


昨日より5位ランクアップとはいえ、やはりここから先は果てなく難しき世界。

だけどまだ頑張りますので、何卒一推しお願いします!


フォローワー3,000まで、あと400!!!!


ですので、『フォローワー』登録、『★★★』でご評価頂けてない方がいらっしゃいましたら、是非にぶち込んでいただけたら嬉しいです!


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どうか~~~!!!!( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)!!!!

 

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