第5話 歪み

3ヶ月くらいかな?

お腹も空かない。やる気もない。

夜になると泣くを繰り返していた。


そんな時中学の友達から連絡があった。


久しぶり〜今、彼氏いる?

いないよ。

まぢ?じゃあ紹介したい人いるんだけどどう?

誰?

バイト先の先輩で一個上の人。どう?

いいよ。

じゃあ連絡先教えるね!


どうでも…いいよ。

まだ元彼が好きだった。

でも、他の人と付き合えば忘れられるかもしれない。

違う高校だし歳も上だし。

もう、同じ高校とか同じクラスは嫌。

違うしまぁいっか。

そんな気持ちだった。


そのまま連絡が来てなんとなくやり取りして

家も近所だし数日後会う事になった。


夜の公園で初めましてして、向こうはバイト帰りで制服だった。

ボクシングをやってるらしい。

同じ高校にはいないヤンチャ系なタイプだった。

指にはsilverの指輪とゴツいチェーンのアクセサリー、髪は短髪で背は低めで痩せていた。


痩せてるのに試合前は更に体重を落とすらしい。

キャベツを食べ夜は公園で縄跳びすると言っていた。

失恋で体重が落ちていて初めて良かったと思った。


付き合っても付き合わなくてもどっちでもよかったので、

「付き合いますか?本当は少し前に別れた人をまだ好きなんですよね」

「俺も同じ。前に付き合った人がまだ忘れられてない」

「そうなんですね」

「期間限定で付き合わない?1ヶ月とか」

「そうしますか」


変だとわかってた。

気を紛らわしたかっただけ。お互いに。


それからしばらく2人で恋愛ごっこをした。

お互い前に付き合っていた人の話をすることもあったし、友達を含めて遊んだり2人で会ったり。

好きになろうと努力もした。

向こうも彼女いるからこの指に指輪した。って笑顔で見せてくれたり。

私も嬉しい。とかいってみたり。


ただお互い好きにはならなかった。

何やってんだろ。って気持ちにだけなった。


ある日

やっぱり別れよう?

そうだね。ありがとう。

で別れた。


全く辛くなかったので恋してなかったんだと思う。

ただ恋愛ごっこをしている間に気は紛れて夜泣くなどのルーティーンは無くなったのである意味では良かったのかもしれない。


短時間で別れた人。

好きでもなかった人。

この人が始まりとなって今がある。


人生何があるかわからない。

この人から繋がっていく。

お互い何も知らずに言った。


じゃあ。元気でね!






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