第3話 初恋
バイトにも慣れて高校生活にも慣れてきた頃。
高校で文化祭の準備が始まった。
夏になる少し前だった。
クラスでフリマをしようという事になってグループを作って売るものを考えたりレイアウトを考えたりした。
みんな家から不用品を持ってきたり手作りが得意な子はアクセサリーを作ったり100均で買ってきたものをアレンジしたりして売るような感じだった気がする。
同じグループの男の子がよく私に話しかけてくれていた。
あからさまに好意をあらわしていたらしく私以外の全員が気づいていたらしい。
その男の子は好きな人がいると私に言っていたけど私は自分だと思ってなくて相談に乗っていたし応援もしていた。
そんな調子で文化祭になって1日目がすぎた日家に帰るとメールが来てた。
長文で全部は思い出せないけど、
本当に鈍感だよね。
好きです。高校入ってずっと好きでした。
付き合ってください。
みたいな内容だった。
嬉しいというか驚いた。
一応進学校でインテリ系男子が多めで恋愛も奥手そうだったからすぐに告白されるなんて思ってなかったし、相談に乗っていただけなので全く意識していなかった。
よくわからないけどそれを見た瞬間いきなり緊張してきた。
早く返事をしないと。
なんて返事をすればいいんだろう。
正直好きとかよくわからなかったし好みかもわからない。
けど、恋愛はしたかったし嬉しかった。
ありがとう。よろしくお願いします!
こんな感じの返信をしたら、
えっ?付き合ってくれるってこと?うわぁやばい!!嬉しい!
みたいな返事が来た。
ドキドキした。明日学校でどんなふうに話せばいいかもわからない。
会いたいような会うのが怖いような。
正直初めての彼氏ではないし相手でもないけど間違いなく初めて好きになった人はこの人だったと思う。
文化祭2日目。
学校に行きたくなかった。
彼氏が出来たのに会うのが怖かった。
逃げたかった。笑
そんな気持ちで朝起きて学校に行った。
私は自転車で彼は電車だったから私が登校してもまだ教室にはいなかった。
教室に入ると何人か寄ってきて
おめでとう!!
って言われた。
他の子に相談してたらしく告白が成功したことを報告していたらしい。
展開が早くてついていけないし、会ったら何て言ったらいいかわからないからずっと窓辺に居て視線は外で教室の入り口を見ないようにして友達と関係ない話ばっかりしてた。
だんだん電車の子達が登校してくる時間が近づいてくる。
ドキドキがとまらない。
廊下から彼の声がして
もう何も考えられない。
彼は教室に入ってきてすぐ私の方に来て頭を撫でた。
大好きって笑いながら。
教室がザワザワしてたけど頭の中は彼でいっぱいだった。
でも不思議と怖いとか気まずいとかそういう気持ちがなくなって身体があったかくなった気がした。
女慣れしてそうな行動だけど後から聞いたら緊張と嬉しさでいっぱいいっぱいでよく覚えていないらしい。
ちょっと天然で主張の強い彼氏が出来た夏の始まりだった。
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