マリー・ロジェの謎

鷹山トシキ

第1話

 「モルグ街の殺人」での活躍のあと、C・オーギュスト・デュパンはすっかりパリ警察から一目置かれる存在となっており、しばしば事件の解決のための協力を依頼されるようになっていた。「モルグ街」の事件から2年経った頃、ある若い娘の殺人事件が世間を騒がせるようになる。犠牲者のマリー・ロジェは母親と2人暮らしをしている女性であり、その美貌に目をつけた商人に依頼され香水店の売り子をしていた。しかしあるとき不意に店からいなくなり、そのときは1週間後になにごともなかったかのように再び姿を現した。それからは香水店もやめて母の家に引きこもっていたが、その5ヵ月後、ふたたび姿を消した彼女が、4日後にセーヌ川で死体となって発見された。


 語り手とデュパンはしばらく前から世間と隔絶した生活を送っていたためにこの事件のことを知らなかったのだが、警視総監に依頼され協力を求めると、まず新聞各紙を集めて報道記事を拾っていった。デュパンはその中から各紙の報道の食い違いや矛盾を次々と指摘していき、やがて犠牲者の隠れた恋人である海軍士官の犯行を推理する。

 デュパンは新聞記事の矛盾点や食い違いを注意深く分析し、その中から重要な手がかりを見つけ出していきました。彼の鋭い観察力と推理力が、事件の真相に迫る鍵となっていました。


 彼は記事の中で、マリー・ロジェの姿が再び現れる直前の不自然な振る舞いに注目しました。また、彼女の突然の姿の消失と再出現、そして最終的な死に至る経緯についての報道の矛盾点に着目しました。


 デュパンは、マリー・ロジェが隠していた恋人である海軍士官が事件に関与している可能性を推理し始めました。彼は、彼女が恋人との関係に関して家族や周囲に秘密を抱えていたことから、彼女の死に何らかの関連があると考えました。


 語り手と共に、デュパンは徐々に事件の背後に隠された真実に迫っていきます。彼らの推理と捜査は、事件の謎を解き明かし、真犯人を追求するために新たな展開を見せることになるでしょう。


 デュパンと語り手は、事件の謎を解き明かすために、神戸の街へと足を運びました。彼らは、マリー・ロジェの過去や関係者についての情報を集めるために、神戸の弁当屋や地元の人々と接触しました。


 弁当屋の矢尻氏は、マリー・ロジェが最後に訪れた場所や人々についての貴重な情報を提供しました。彼は、彼女が定期的にリストランテベリーニというレストランを訪れていたことを明らかにしました。


 調査が進む中、彼らはマリー・ロジェが認知症を患っていたことを知ることになりました。彼女の家族や友人たちは、彼女の症状について気づいていましたが、その影響を最小限に抑えるために彼女を支え続けてきました。


 その後、彼らはマリー・ロジェが神戸にある「鱗の家」と呼ばれる施設に入所していたことを突き止めました。この施設は認知症患者のための施設であり、彼女が最後の日々を過ごした場所でした。


 円弧のようにつながる証拠と情報の中で、デュパンと語り手は真相に迫るために新たな展開を探り始めました。彼らの調査と推理が、マリー・ロジェの死の謎を解き明かし、事件の真相を明らかにする手がかりを提供することを期待しています。

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