第3話 え、彼氏いるの?
【登場人物紹介】
これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です
真鍋星矢(せいや)…主人公。社会人二年目。中野春花の教育係。多田愛未のあざとさにやられ、好きになってしまった。
多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。飲み会後、酔った勢いで星矢に家まで送ってもらった(演技かどうかは不明)
中野春花(はるか)…社会人一年目。星矢が色々仕事を教えている後輩。彼氏がいるらしい。
春日部博(ひろし)…星矢の相談相手。周りからの信頼も厚く、恋愛相談に乗るが少しズレてるため、アドバイスがあてにならない事も多い。愛されキャラ的存在。
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星矢は博に電話で自分が愛未に恋してしまったかもしれないことを伝える。
「確かに愛未は星矢にベタベタだったからなぁ。でも、魔性の女やで多分。誰にでもやってるんじゃ?」
「でもさ、別れ際、もっと一緒にいたかったとか言われたんだよ?まあそれすらも狙ってる可能性あるけどさ。何とも思ってない相手にそこまでするか?」
「まじ?そんなこと言われたの?」
「うん」
「じゃあ脈アリじゃん!絶対それお前の事好きじゃん!!」
博は本当にお調子者だ。しかし、そんな博と話してると凄く楽しい。相談といっても博のアドバイスが参考になった事なんて一度もないのだが、話聞いてくれるだけで安心する。何かに悩んだり考え込んだ時、話すだけで落ち着く。そんな安心感が博にはある。モテないけど。
そんな感じでおそらく後輩の愛未に恋愛感情を持ってしまった星矢は博に話す事で気持ちを落ち着かせていた。
それから1ヶ月が経過した。その1ヶ月間、恋の方には特に進展はなかったが、愛未とはそれなりに仲良く話していた。
そしてある日偶然、帰り道で星矢は愛未と二人きりになった。
「久しぶりですね。こうやって二人きりになるの」
「そうだね」
「あの時は本当にすみません。羽目を外してしまって」
「いいんだよ。慣れない社会人生活で酔いが回りやすくなってたのかもね?」
「私、普段あんなふうにならないんですよ?お酒はそんな強くないけどあんなに歩けなくなったの初めてで。彼氏にバレたらまずいなぁ。本当は仕事終わりに異性と二人きりでこうやって歩くのすら彼氏許してくれないんですけどね」
………え、今、彼氏って言った?………
「あれ?彼氏いるんだっけ?」
「あ、言ってませんでしたっけ?大学時代から付き合ってる彼氏で今、大阪にいるんです。だから全然会ってないんですけど」
………え、聞いてないんですけど?え、じゃあこの前のデレデレな感じは何だったんですか!?俺、めちゃくちゃ舞い上がってたんですけど!!………
「あ、そうなんだ。知らなかった」
「あれ?先輩まさか動揺してますー?私の事狙ってる〜?もしかして!」
愛未は時々、こうやってからかってくる。これすらも彼女のあざとさの策略なのか。
「まさか。」
「ですよね〜。私も先輩は異性ってより弟って感じなんですよ!年上なんですけどねぇ〜」
………は!?弟?何で俺が?………
星矢は今まで友達としか見れないって言われたことはあったが弟と言われたのは初めてだった。
………じゃあこの前のベタベタくっついてきたのも異性として意識してないからこそって事か。何だよ。俺だけ浮かれて馬鹿みたいじゃないか………
星矢は自己嫌悪に陥った。
「じゃ、また明日ですね!先輩!」
愛未はそう言うと星矢の鼻をツンとして家に入って行った。
………あざとい。何だこの女。………
まさかの事態に星矢は頭の整理がおいつかなかったが、それはこの後、起こるさらなる衝撃に比べたら全然序の口レベルの出来事だった。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
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