体験

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 その夜。

 とある新築の住宅で。


「きゃーーーー!」


 若い女性の悲鳴があがった。


 何事かと駆けつけた若い主人が見たものは、

 ガサガサと動く

 黒い背中

 かたくてツヤツヤ

 ギザギザの羽


 うっ、と

 信じられないものを見たかのように立ち止まる男に向かってが飛んでくる。


 思わず払い除けようと手が出たが、

 手にヤツの触覚的が触れた。

 それだけで、

 ぞわぞわと、体が震え上がる。


「ひぃ~」

 情けない声。

 腰が引けてしまっている。


 それを尻目に、

 女は、スリッパ片手にに向かっていく。



「えぇ〜い!」



 ブィイ〜ン



 女の攻撃をものともせず、

 キッチンからリビングへ。

 は我が物顔で、その家の中を飛び回った。




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